未来の料理の行方
先週、私の誕生日で、大変ありがたいことに、研究室のラボメンバーに手作りの「卵型のケーキ」とプレゼントを頂きました。
「ケーキが卵型」なのは、私の専門が「卵の科学」だからです。2日がかりの力作だったそうで、「卵黄」部分のカスタードと生地の層が実においしかったです!
そして、頂いたプレゼントはこちら。↓
The「宇宙食」セット!!
じつに、わかっているね〜、私がこの手のものが大好きだということを!
以前、「宇宙食」関係のブログもいろいろ書いていました。小さい頃から、「未来の食」にアンテナを立てていた子どもでしたからね。
非常食として、保管しながら一個ずつじっくりと頂くことにします。どうも、ありがとう!!
21世紀の料理
私が小さい頃見たマンガやアニメーションで描かれていた「未来の料理」は、カード食やチューブ食、カプセルのようなものでした。まさに宇宙食をイメージさせるものでした。
当時、キラキラした未来をイメージしていた21世紀。その時の料理はどんなものになるか、食い意地が人一倍張っていた田舎の少年は、見たことのない「未来の食」に胸と“お腹”をふくらませていました。
そして、その待望の21世紀に突入し早10年以上が経過しましたが、私の普段の食事は、20世紀と同じように、おにぎりを食べ、味噌汁を飲んでいます。
分子料理の勃興
一方、1990年代から今日まで、海外のレストランで「分子調理」による「分子料理」が注目されるようになりました。
“分子”には、物理、化学、生理学、工学などといった科学的な視点という意味が込められており、それらを応用することによって、従来のレストランにはなかった新しい世界の料理を想像しようとする取り組みです。
これまで実験室で使われてきたような器具を使って海外のある一部のレストランでは、誰も体験したことのないような斬新な料理が生み出されました。
お客さんは、それらの料理にモダンさとその先の“未来”を見たのでしょう。
おいしい料理の最適化
高級なレストランで見たことのない料理が大きく進化しているのに対し、普段の私たちの料理は大して変わっていないように見えます。
しかし、スーパーマーケットで買う加工食品や、ファミリーレストランのメニューは昔と比べて確実においしくなっています。最新の炊飯器で炊くごはんのおいしさにも、目を見張るものがあります。
昔からある伝統的な料理にも、たくさんの“実験”を経て、“おいしさの最適化”が行われています。
新しい料理の開発やおいしい料理の解明には、科学のメスが入っています。そんな料理と科学のおいしい出会いの一端をこのブログで順次ご紹介して行きたいと思います。