食品の品質管理とゴールキーパー
生のスポーツ観戦が好きです。カナダ留学中は、よく野球(MLB)、バスケットボール(NBA)、アイスホッケー(NHL)などを見に行っていました。カナダは特にアイスホッケー発祥の地だけあって、熱狂的なファンが多く、試合はいつも尋常ではないくらい盛り上がります。
アイスホッケーやサッカーの試合を見ると、私はGKゴールキーパーになんとなく目がいってしまします。独特の孤独感・悲壮感が漂っているゴールキーパーに、少なからず感情移入してしまうのです。
サッカーのフォワードは、99回シュートを失敗しても最後に1回のゴールを決めれば賞賛されるのに対し、ゴールキーパーは99回のファインセーブをしても、1回の凡ミスでゴールを許してしまえば責任を問われてしまいます。
食品企業の「開発」部門は、企画した案が大量にボツになったとしても、最期に一つでも案が通れば成功といえるでしょう。それに対して「品質管理」部門は、たった一つの製品に異物でも入るようなことがあれば、全品回収の事態となり、大きな責任が問われます。
サッカーのゴールキーパーと食品の品質管理の仕事は、ミスが許されないという点で、なんとなく似てるなぁと思います。
サッカーの試合で、ゴールキーパーが脚光を浴びることはあまりありません。ミスをした時の方が、スポーツニュースで取り上げられる確率が高いでしょう。食品企業でも、異物混入などがおこると、マスコミに大きく取り上げられます。
欧州の少年サッカーチームでは、最も身体能力がある子が、ゴールキーパーに選ばれるといいます。食の安全を守る品質管理の仕事は、食品メーカーにおいて最も重要なポジションの一つでしょう。私はこの「食品企業のゴールキーパー」を陰ながら応援しています。