夜食日記

分子調理学者。料理・調理のメカニズムを研究する大学教授。著書に『料理と科学のおいしい出会い』(化学同人)、共訳書に『The Kitchen as Laboratory』(講談社)など。分子料理・分子調理ラボ(http://molecular-cooking-lab.net)を主宰。関心は「食×科学×芸術」。

新刊が出ます

 『「食べること」の進化史 培養肉・昆虫食・3Dフードプリンタ 』という新書が、今週5/23に発売されます。

「食べること」の進化史 培養肉・昆虫食・3Dフードプリンタ (光文社新書)

「食べること」の進化史 培養肉・昆虫食・3Dフードプリンタ (光文社新書)

 

 

 目次は、こんな感じです。

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はじめに

序章 食から未来を考えるわけ
 (1)なぜ「食の未来」を考えるのか
 (2)食がいかに私たちを変えてきたか
 (3)食の未来の見方

第1章 「未来の料理」はどうなるか ―料理の進化論―
 【過去】料理はこれまでどのように変わってきたか
 (1)料理の因数分解
 (2)限られた食材、変わってきた調理法
 (3)食材の拡散により誕生し、洗練され、融合する料理

 【現在】現在の料理の背景にあるもの
 (1)料理界における科学の勃興
 (2)エビデンスに基づいた料理の解明と開発
 (3)21世紀版「食材ハンター」

 【未来】未来の料理のかたち
 (1)「未来食」のヒントはここにある
 (2)3Dフードプリンタの衝撃
 (3)仮想と現実の狭間にある料理

第2章 「未来の身体」はどうなるか ―食と身体の進化論―
 【過去】食と人類の進化物語
 (1)食による祖先の自然選択
 (2)肉に魅せられた人類
 (3)大きな脳を可能にしたもの

 【現在】食と健康と病気
 (1)食べることと健康の因果関係
 (2)肥満の進化生物学
 (3)食欲の制御と暴走

 【未来】食と身体の進化の未来図
 (1)健康になるためのテクノロジー
 (2)ヒトは未来食によってどう進化するのか
 (3)脱身体化するヒト、脱人間化するヒト

第3章 「未来の心」はどうなるか ―食と心の進化論―
 【過去】人は食べる時、何を思ってきたか
 (1)食の思想、イデオロギー、アイデンティティ
 (2)栄養思想、美食思想、ベジタリアニズム思想
 (3)食のタブー

 【現在】人は食に何を期待しているのか
 (1)私はどうしてこの料理を選んだのか(人→食)
 (2)自分を映す鏡としての食(食→人)
 (3)食べることは、交わること(人→食→社会)

 【未来】人は食に何を思い、何を求めていくのか
 (1)食の価値観の未来
 (2)食の芸術性の未来
 (3)おいしさの未来

第4章 「未来の環境」はどうなるか ―食と環境の進化論―
 【過去】食の生産、キッチン、食卓の歴史
 (1)人と食べものの量的・質的変化の予測
 (2)キッチンテクノロジーの歴史
 (3)共食の歴史、意義

 【現在】食の生産、キッチン、食卓の今
 (1)農業のアップデート
 (2)キッチンからみえる現在の風景
 (3)食卓は、食事を共にする場なのか

 【未来】食の生産、キッチン、食卓のこれから
 (1)農業と農業への意識の未来
 (2)キッチンのハイテク化と手で作ることの意味
 (3)コミュニケーションの未来における食の役割

おわりに
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 目次の各章の構成を固めたのは、もう5年くらい前でした。

 料理の未来だけではなくて、食と体、食と心、食と環境の未来を考えようという大風呂敷を広げてしまったというのが、執筆にとんでもない時間がかかってしまった要因でした。

 ただ、食を幅広く考えること、過去・現在・未来という長いスパンで考えることという二つの視点が、「食べること」のおもしろさを改めて感じるいい機会となりました。

 調理や栄養の部分は、専門なのである程度の責任を持って書ける部分は多かったですが、食の思想・心理に関するところは素人なので、先人たちの知恵(書籍)に大いに助けてもらいました。素人の考察に留まっていると思いますが、一般の人が関心を持つ食の心の未来は、なんとなく書けたのではないかと思います。

 新書の中で私のイチオシは、「文章とイラストの融合」です。

イラストは、いつもお願いしている近くのイラストレーターさんに描いてもらいました。味のあるイラストがたくさん載っています。

 さらに、章末に「マンガ」もあります!

 「まんが日本昔ばなし」が、大好きだったので、昔ばなしをモチーフにした以下の「未来ばなし」を掲載しています。

  • もももたろうと未来ごはん
  • うらしま太郎と未来ごはん
  • かぐや姫と未来ごはん
  • おむすびころりんと未来ごはん

 マンガだけでも見てもらえればと思います。