夜食日記

食品研究者が夜中に「食」についてつらつら綴る日記。専門は、分子レベルの「食品学」「調理学」「栄養学」。「クックパッド食みらい研究所」特別研究員。分子料理・分子調理ラボ(www.molecular-cooking-lab.net)を主宰しています。食ほど体と心に影響を及ぼすものはないと思いませんか。

“遠心分離”アイスキャンディー

 暑い日が続いています。暑すぎるとアイスクリームよりもアイスキャンディーが食べたくなるものです。

 ラボで100%果汁を遠心分離したアイスキャンディーを作ってみました。

 ひとまずスイカ、メロン、キウイフルーツ、桃、オレンジを5種類を準備。

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 家庭用ジューサーで、それぞれのフルーツをやや“あらめ”にミックス。 

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  遠心分離用のポリカーボネート製チューブ(実験未使用、食器用洗剤洗浄済)にそれぞれ二本ずつバランスよく入れます。ポリカーボネートは透明なプラスチックで、チューブ内のサンプルがはっきりと見えます。

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  アルコール殺菌した一般の遠心分離器のアングル型ローター(回転軸に対して一定の角度に保持されているもの)に、チューブを対称にセット。

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  4℃、10,000 G(Gは遠心力)、3分の条件で遠心分離。

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  遠心後はこのような見た目。密度差によってアングルの斜めの角度で何層かに分かれます。

 キウイフルーツは、種が一番底にたまっているのがはっきりわかります。スイカは、この遠心の条件では分離しにくかった様子。

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  アイスキャンディー用の木の棒を中心にさして、冷凍庫で一晩冷却。

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  凍ったものを、湯煎して抜き取ると、次のように。

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  「スイカ遠心分離アイスキャンディー」の完成。ひだ付き

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  メロン、キウイフルーツ、桃、オレンジの遠心分離スイカキャンディーは次のように。

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  沈殿部分の“繊維質の食感”と、上清の液体のみの凍ったざらつきのない“クリアーなシャリシャリ感”のコントラストが楽しいアイスキャンディーでした。オレンジが一番、底と上でのテクスチャーの差がありました。

 他のいろいろな果汁を使ったり、果汁のミキシングの時間を変えたり、もっと数十万Gの“超遠心”で分離すれば、同じ果汁からそれぞれ違った感じのアイスキャンディーができるでしょう。

 また、ローターも回転軸を中心に軸に垂直に回転するスウィング型を使えば、分かれた層が斜めにならないため、見た目もきれいかもしれません。

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 以上、暑い夏の夜のお遊び実験でした。