夜食日記

食品研究者が夜中に「食」についてつらつら綴る日記。専門は、分子レベルの「食品学」「調理学」「栄養学」。「クックパッド食みらい研究所」特別研究員。分子料理・分子調理ラボ(www.molecular-cooking-lab.net)を主宰しています。食ほど体と心に影響を及ぼすものはないと思いませんか。

「パスタのゆで方 大実験!」@dancyu

 先日、『dancyu』の最新号を送って頂きました。

dancyu(ダンチュウ) 2015年 04 月号

dancyu(ダンチュウ) 2015年 04 月号

 

 巻頭の特集はパスタ。春が近づいてくると、私も「パスタララララン♪」っと、スキップしたくなります。その特集の中に「パスタのゆで方ソースの和え方 大実験!」というとても興味深い記事があります。

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 パスタをゆでる際の、お湯や塩の量、火加減、パスタの入れ方などの8つの工程をそれぞれ検証しています。最後には、計83パターンをゆでて辿り着いたという「dancyuパスタ部による8カ条」と「王道トマトソースのスパゲッティのレシピ」が載っています。思索と実践の熱闘(熱湯!?)の記録です。

 事前にご相談頂いた際にお答えした私のコメントも掲載して頂きました。わざわざクレジットも入れて頂きまして、ありがとうございました。

 これまでもdancyuさんは、炒飯ソーセージの「大実験」を敢行なさっています。私のブログでも取り上げていました。

  どれも完全保存版です。

 有史以来、人類は食べものを獲得し、調理して食べてきました。先人の知恵や経験の中から生まれてきた、さまざまな料理や調理方法が現在の私たちに伝えられています。

 これまでの調理方法にひそんでいる「伝統」を改めて“実験”することで、その伝承の正当性を確認することもあれば、反対に当てはまらない場合もあることがわかるでしょう。

 dancyuさんの「大実験!」シリーズは、私たちが普段行っている調理プロセスの常識が、本当に正しいのか、そうでないのかということを改めて見直させてくれます。

 なかなか家庭ではできない圧倒的な皿数の料理を、あふれんばかりの好奇心で挑戦する姿勢は、他の料理雑誌では決してお目にかかれません。dancyuさんならではですね。

 さらに実験結果からの考察も広い食文化に切り込んでいます。今回のパスタ大実験の結語でも、日本人の「アツアツ信仰」に一石を投じています。作り上げるのにとっても手間のかかる記事だと思いますが、今後もいろんな大実験を楽しみにしています。

 記事の文を書かれている松浦達也さんのご著書『大人の肉ドリル』も、肉へのこだわりと愛情が詰まっており、理論好きの料理男子やすべて肉好きの方に超おすすめです!

大人の肉ドリル

大人の肉ドリル