夜食日記

分子調理学者。料理・調理のメカニズムを研究する大学教授。著書に『料理と科学のおいしい出会い』(化学同人)、共訳書に『The Kitchen as Laboratory』(講談社)など。分子料理・分子調理ラボ(http://molecular-cooking-lab.net)を主宰。関心は「食×科学×芸術」。

「分子調理」のおいしい世界 第3回 @応用物理

 応用物理学会の機関誌『応用物理』において、『「分子調理」のおいしい世界』の第三弾を掲載して頂きました。

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 ノーベル賞受賞式・晩餐会に同行された先生の臨場感のたっぷりの報告がとても興味深いものでした。

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 もう一つ、ノーベル賞受賞に際しての応用物理に寄稿した天野浩先生のコメントの中に、心ぐぐっとくる文章がありましたので、一部抜粋して紹介します。

応用物理学会の一番の思い出は、1987年秋の名古屋大学での発表です。低温バッファ層を用いてa面サファイア上にZnドープGaNを成長した際、内面歪の1軸異方向により中性アクセプタに束縛される励起子発光が分裂するという発表をしましたが、部屋にいたのは私と赤﨑先生、座長および他1名の合計4名でした。座長より申し訳なさそうにご質問していただいたことを覚えております。そのときは、この材料は全く注目されておらず、自分の研究者としての将来はないだろうな、と諦念した記憶があります、まさか窒化物が今のような隆盛を迎えるとは思いもよりませんでした。

 重要な研究でも、最初世に出したときは、このようにあまり注目されなかったという話はよく聞くものです。

 将来、成功した時の光を見据えて、信念を持って継続的に研究を進めることの重要性をいち研究者としてひしひしと感じたのでした。