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夜食日記

食品研究者が夜中に「食」についてつらつら綴る日記。専門は、分子レベルの「食品学」「調理学」「栄養学」。「クックパッド食みらい研究所」特別研究員。分子料理・分子調理ラボ(www.molecular-cooking-lab.net)を主宰しています。食ほど体と心に影響を及ぼすものはないと思いませんか。

タマゴ科学研究会と第一回タマゴシンポジウム

食の科学 食のイベント

 私にとって、念願の研究会が誕生しました。その名は、タマゴ科学研究会。タマゴは、主に「鶏の卵」のことで、私のメインの研究対象です。

 その記念すべき初回のシンポジウムが先週開催され、参加させて頂きました。

第1回 タマゴシンポジウム

  • テーマ:タマゴが創る未来の食生活
  • 期 日:2013年5月20日(月)
  • 場 所:東京大学農学部フードサイエンス棟 中島董一郎記念ホール
  • プログラム(敬称略)
    • 13:00〜13:10 開会のご挨拶 菅野 道廣(九州大学・熊本県立大学 名誉教授)
    • 13:10〜14:00 基調講演『世界の鶏卵情勢と最新の鶏卵研究』 峯 芳徳(ゲルフ大学農学部 教授)
    • 14:00〜14:40 『メタボリックシンドロームの病態と卵白タンパク質の栄養学的意義』 宇都宮 一典(東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科 主任教授)
    • 14:40〜15:20 『鳥類多能性幹細胞を用いた鶏卵の低アレルゲン化』 堀内 浩幸(広島大学大学院生物圏科学研究科 教授)
    • 15:20〜15:50 コーヒーブレイク
    • 15:50〜16:10 『卵白由来のプロテアーゼ阻害成分による筋萎縮予防法の開発』 二川 健(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 生体栄養学分野 教授)
    • 16:10〜16:30 『卵と乳酸発酵』 渡邊 乾二(岐阜大学 名誉教授)
    • 16:30〜16:50 「卵殻カルシウムおよび2価金属による畜肉タンパク質のゲル化』 石下 真人(酪農学園大学 農食環境学群 教授)
    • 16:50〜17:20 『企業におけるタマゴの基礎研究とその応用について』 設楽 弘之(キユーピー(株)研究開発本部 商品開発研究所 タマゴ開発部長)
    • 17:20〜17:30 閉会のご挨拶 和田 義明(キユーピー(株)常務取締役)
    • 18:00 〜19:30 懇親会

 「中島董一郎記念ホール」の中島董一郎(なかしま とういちろう)氏は、キユーピー創業者で、ご遺族の寄附によって平成22年12月に東京大学農学部がある弥生キャンパスに完成したとのことです。とても新しい綺麗なホールでした。

 講演を聞いて、タマゴの加工特性、栄養機能性、経済性など、その奥深さや幅広さを再確認し、「卵の科学」を研究の専門に選んで間違いなかったと感じました。

 将来、世界の食料、特にタンパク源となる肉や魚は争奪戦となることが予想されています。その中でもタマゴを産むニワトリの飼料効率の高さは、ウシの約3倍とも言われています。

 最近、将来の食料不足に向けたタンパク源として「昆虫食」が注目されていますが、おいしくて、さまざまなものに加工でき、栄養価が抜群で、しかも安いという点で、やはり「タマゴの力」というのは偉大だと思います。

 講演の中で徳島大学の二川先生が、「タマゴが創る未来の食生活」というテーマにちなんで「将来、本格的な宇宙時代になったら、宇宙船に最初に乗り込む動物はきっとタマゴを産んでくれるニワトリでしょう。」という夢のあることを仰っていました。

 恩師や師匠、知り合いの方々の熱いタマゴの講演を浴び、とても幸せな午後でした。そして、もっと日々研究を精進しないと思ったのでした。