夜食日記

分子調理学者。料理・調理のメカニズムを研究する大学教授。著書に『料理と科学のおいしい出会い』(化学同人)、共訳書に『The Kitchen as Laboratory』(講談社)など。分子料理・分子調理ラボ(http://molecular-cooking-lab.net)を主宰。関心は「食×科学×芸術」。

五輪開催地決定を前に 〜福島県出身者として〜

 もうすぐ、決まりますね、開催地。

  こういうニュースがありましたね。

東京五輪招致:汚染水漏れに質問集中 海外メディア

毎日新聞 2013年09月05日 00時06分(最終更新 09月05日 01時00分)

 【ブエノスアイレス藤野智成】2020年夏季五輪開催地を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会を7日に控え、東京招致委員会が4日、当地のホテルで国内外メディア向けに記者会見した。海外メディアの質疑応答では、東京電力福島第1原発の汚染水漏れ問題の懸念が相次ぎ、質問6問中4問がこの問題に集中した。

 竹田恒和理事長(日本オリンピック委員会会長)は、日本政府としての対処方針を示した書簡をIOC委員に送ったことを明かし、「東京は非常に安全な都市。水、食物、空気は政府が責任を持って解決すると発表し、プロジェクトも発足して懸念はない」と説明。「東京にとって放射能漏れが唯一の懸念材料になっているが」との質問には、「放射線量レベルはロンドン、ニューヨーク、パリなど世界の大都市と同レベルで絶対安全」と理解を求めた。

 竹田理事長は用意した書面を読み上げて対応していたが、厳しい質問が続いて答えに窮し、日本語に切り替えた。そして「IOC委員からも放射能漏れの質問が予想されるが、どう対処するのか」との質問に、竹田理事長は「総理からも最終プレゼンテーションで説明する。福島は東京から250キロ離れており、皆さんが想像する危険性は東京にない」と時折、声を上ずらせながら答えた。

 会見にはトヨタ自動車名誉会長の張富士夫評議委員(日本体育協会会長)が同席したが東京の経済力に絡んだ質問は少なかった。

 去年、拙著「大震災を生き抜くための食事学」で、私は次のようなことを書いていました。

風評被害の“被害者”にも“加害者”にもなり得るという現状の中で

 今、原発事故による風評被害は、国内と国外の「二重構造」になっています。

 つまり、世界的にみると、日本は海外の国から風評被害にさらされ、国内をみると、福島に住む住民はその他の日本の地域の方からの風評被害にさらされています。

 今後、今現在、すでにそうかもしれませんが、原発の近く遠く、放射線量の高い低いに関わらず、「日本」という“タグ”だけで、危険な場所とか、日本産の食品は危ないという風潮が世界的に蔓延してしまうのではないかという恐れを私は感じています。

 世界的にみれば、すべての日本産の食品、すべての日本産の製品、すべての日本人が風評被害にさらされる危険性をはらんでいます。

 私が最も恐れているのは、原発事故と関係のない地域の日本人が、ウチの商品は「福島県産ではないから安心です」という福島にとってのネガティブキャンペーンを日本国内や海外にしてしまわないかということです。

 そのような動きは、科学的なデータに関わらず福島県産が暗に危険だと言っているようなものです。福島をスケープゴートにしてはいけません。

   福島を「内」ととらえるか、「外」ととらえるか、その人の言葉に表れるものです。