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夜食日記

食品研究者が夜中に「食」についてつらつら綴る日記。専門は、分子レベルの「食品学」「調理学」「栄養学」。「クックパッド食みらい研究所」特別研究員。分子料理・分子調理ラボ(www.molecular-cooking-lab.net)を主宰しています。食ほど体と心に影響を及ぼすものはないと思いませんか。

風邪を引いた時の“楽しみ”

 先週末、不覚にも風邪を引いてしまいました。熱と頭痛と鼻水に悩まされました。

 まともに風邪を引いたのは、実に5年ぶりぐらいでしょうか。

 インフルエンザ流行時期の冬などは、手洗いやうがいなど、それなりに気を使って予防対策をしていますが、今時期、ちょっと油断していた感は否めません。

 普段、熱を出すことがあまりないため、いざ体温が上がると体の“テンパリ具合”が自分でもわかります。

 その一方で、平常時の体の違いを如実に感じられ、火照った頭のなかで「普段との違いはなんだろ?」と冷静に探る自分がいたりします。

 その中でも、非常時の「食べものの風味の変化」はやはりわかりやすいですね。

 鼻が詰まった状態で食べる、香りが貧弱になった「食」に悲しくなった方はきっと多いことでしょう。

 今回の風邪の最中、“さいて食べるチーズ”の“とうがらし味”を食べましたが、香りがまったくなく、消しゴムをむしゃむしゃ食べているような感覚でした。そして、辛さも感じにくくなっていました。

 辛さは、嗅覚刺激ではなく痛覚刺激なので、鼻が詰まっていても感じるはずなんですが。熱があると辛さが半減するのでしょうか。おもしろい体験でした。

 ちなみに、学生たちと以前こんな“実験”をしたことがあります。

 オレンジジュースとグレープフルーツジュースを準備し、目をつぶって鼻をつまみながらどちらかを飲んでもらい、当てるというものです。

 これが、結構な確率で間違えるのです。どうぞ、お試しあれ。

 風邪を引いた時の発熱中の鼻の“ノックダウン”は、いろいろな発見をもたらします。たまになら興味深い体験ですね。ごくたまになら…。