夜食日記

分子調理学者。料理・調理のメカニズムを研究する大学教授。著書に『料理と科学のおいしい出会い』(化学同人)、共訳書に『The Kitchen as Laboratory』(講談社)など。分子料理・分子調理ラボ(http://molecular-cooking-lab.net)を主宰。関心は「食×科学×芸術」。

日本農業新聞に掲載されました

 東日本大震災から1年6ヶ月経った、おとといの9/11付の日本農業新聞に記事が掲載されました。

 「備える、生かす 次の災害のために」というタイトルで、いつ、どこで発生するか分からない次の災害のために、どのように食を備え、どう活用したらいいのかについて「常備蓄と熱源確保を」という私の提言などが掲載されています。

 勤務先の大学で、机の中の「常備蓄品」を確認する私の姿の写真が載ってしまいました。

 防災の日(9/1)や震災から1年半などということもあり、新聞やTVなどのメディアの方とここ1ヶ月お話させて頂く機会がありました。その記者さんからの質問に答える過程で、「震災時の食」についてアタマの中身を整理できたり、別の視点での考えが浮かんだりしました。

 記者さんたちとの出会いのきっかけは、今年の3/11に出版させていただいた「大震災を生き抜くための食事学」という本の存在が大きかったですが、その本を読んで頂いた大学関係の方からも、震災時の体験や、自分が今している備蓄方法などをお話していただく機会がよくあります。

 現在、防災対策の重要性が盛んに言われており、その中で「食」の対策の大切さに関しても、いろいろなことが言われています。

 私が感じているのは、「防災食の重要性を伝えるには、いかにリアルな体験談とともに説明するか」ということです。

 地震などの災害は、誰も来てほしいとは思わないものですので、基本、人はその対策などを考えたくないのが普通です。「臭いものにはフタ」は、人間の当然の心理です。

 そのため、「他人ごと」と考えがちな防災対策を、いかに「自分ごと」として考えてもらうためには、その対策がなぜ必要なのかを、人が経験した“生々しい”体験に乗せて説明しないとなかなか伝わらないと感じています。

 「大震災を生き抜くための食事学」でも、食の備蓄の大切さ伝えるためには「自分の心情」を書かなければと思い、恥ずかしさを抑えながら震災時の自分の気持ちを赤裸々にオープンにしました。防災食の講演などでも、あの時、私がどう思っていたかという個人的な感想をできるだけお話するようにしています。

 今後、多くの方から聞いた震災時のリアルな食体験や、その体験に基づいた各自の備蓄のコツなども、うまく多くの方に発信できたらと思っています。

必ず来る!大震災を生き抜くための食事学 3.11東日本大震災あのとき、ほんとうに食べたかったもの