夜食日記

分子調理学者。料理・調理のメカニズムを研究する大学教授。著書に『料理と科学のおいしい出会い』(化学同人)、共訳書に『The Kitchen as Laboratory』(講談社)など。分子料理・分子調理ラボ(http://molecular-cooking-lab.net)を主宰。関心は「食×科学×芸術」。

攻め続けた「ビュッフェ」 受け続けた「機内食」

 今月上旬に行ったブラジルでの国際学会は、4泊8日(機内泊が3日)という日程でした。

 行きのルートは、成田 → ニューヨーク → サンパウロ → フォス・ド・イグアス、帰りは、フォス・ド・イグアス → サンパウロ → アトランタ → 成田という、片道で飛行乗り継ぎ3回という旅路でした。

 地球の裏側への移動ですので、片道だけで機内の狭いシートに24時間以上座り、さらに飛行機の乗り換えによる待ち時間なども含めると、往復移動で約4日間もの時間を費やしました。

 学会の前後に日本での予定ががっちりと入っていたため、その日程しか組めなかったのですが、実際その日程で行ってみて、ガラスの腰を持つアラフォーにとっては実にシビアな日程だと行きの一発目の飛行機の中で気が付かされました。

 長時間の移動の連続と時差12時間でかなりヘロヘロになりました。

 学会や出張先で、その土地ならではおいしいものを食べることを楽しみにしている方は多いことと思います。「食」の“業界人”であれば、高確率で当てはまることでしょう。

 「食」への執着心が並ではないと自負する食品研究者が、今回ブラジル学会で食べたものをご覧頂きましょう。

 まず、朝は、

宿泊先のホテルのビュッフェ。

 そして、昼は、

学会会場のホテルのビュッフェ。

 夜は、

また宿泊先のホテルのビュッフェ。

 次の日も、またビュッフェ、ビュッフェ、ビュッフェ…。

 宿泊先のホテルと学会会場となったホテルは、それぞれ周りに店も何もなく、ぽつんと郊外にあるような場所にあったため、基本ホテルで食事するしかなく、ホテル・ビュッフェの連投につぐ連投でした。

 帰りのイグアスの空港での食事も、重さで値段が決まるという、これまたビュッフェでした。

 ブラジリアン・ビュッフェの特徴をひとことでいうと、何でしょうか。「牛肉料理と豆料理の種類の豊富さ」でしょうか。1品1品がどのようなものかあまりわからないのが、ビュッフェの難点ですね。味は、どれもおいしかったです。

 ビュッフェは、いろいろな料理を自分で選べて楽しいのですが、ブラジル料理の代表的なシュラスコ(シュハスコ)↓のような、もうちょっと地元のスペシャリティ的な食事やB級グルメ的なものを頂きたかったという気持ちもほんのりありました。

 また、飛行機移動中の食事は、もちろんひたすらこのような↓機内食でした。

 デルタ航空の機内食、今回の旅で、軽食も含めてトータル10食は食べたでしょうか。

 狭い座席で、映画やドラマを見ても自分は楽しめないことがわかっているので、私の機内でのもっぱらの“ミッション”は、出された食事を無心で食べ、後はいかに眠りにつくかです。

 機内食の写真を行きの飛行機内では撮っていたのですが、機内食の連投を受け続けることによって次第に、“撮る”気力も“摂る”気力も消え失せていきました。

 今回の学会旅では、機内食を食べ、ビュッフェを食べ、そして帰りはまた機内食を食べ続けるという、旅食でした。