夜食日記

食品研究者が夜中に「食」についてつらつら綴る日記。専門は、分子レベルの「食品学」「調理学」「栄養学」。「クックパッド食みらい研究所」特別研究員。分子料理・分子調理ラボ(www.molecular-cooking-lab.net)を主宰しています。食ほど体と心に影響を及ぼすものはないと思いませんか。

料理を“ワッフル化”する 〜プロローグ〜

セピア色のワッフルブーム

 だいぶ前のことですが、「ベルギーワッフルブーム」というのがありました。調べてみると1997年とのことで、私は仙台で大学院生でした。おっと、年齢がバレますね。

 仙台にも当時、ベルギーワッフルの専門店があったことを覚えています。しかし、長い行例の時期はほんの一瞬で、いつの間にか回転寿司の店に取って代わりました。

 ティラミス、ナタデココ、パンナコッタ、そしてベルギーワッフルなどのいわゆるスイーツ界の「一発屋」たちが、華々しく打ち上がり、そしてはかなく散っていったのが、私の青春、90年代でした。

 当時のスイーツ、いやデザートたち(スイーツという言葉もなかった)の繁栄と衰退、そして自分の青さが、ともにセピア色で思い出されます。

舞台女優としてのワッフル

 ティラミス、ナタデココなどの「一発屋」たちは、けっして消え去ったわけではなく、レストランメニューやヨーグルトの中で生き残り、21世紀の今も、私たちの食生活の中でごく自然に溶け込んでいます。

 たとえるなら、事務所の力で無理やり売りだされたアイドルが、世間で“消費”された後、実力をつけ、その後舞台女優として活躍するようなものでしょうか。

 舞台女優のようなベルギーワッフルは、今もお店で時々見かけます。一定のファンがいることの証明です。

 私の妻も、大のワッフル好きで、お店のメニューの中で見つけると高確率で注文します。そして、何年か前に突然「ワッフルメーカー」をアマゾンで買いました。

 わが家にやって来たそのワッフルメーカーは、最初はちやほやされましたが、しばらく経つと、案の定、箱の中にしっかりとしまわれ、陽に当たることのない日々が長いこと続いていました。そう、数年間も…。

ゴールデンワッフル(GW)週間

 今、世間はゴールデンウィーク(Golden Week)真っ最中。

 私は、溜まった書類書きをしているので、どこにも出かける予定はありません。

 やたら天気のいいGW前半を横目で見ながら、家で長い眠りについていたワッフルメーカーに起きてもらい、料理を可能な限りワッフル化(ワッフライズ)してもらおうと思っています。

 GWをゴールデンワッフル(Golden Waffle)週間にします!

 次回につづく。