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夜食日記

食品研究者が夜中に「食」についてつらつら綴る日記。専門は、分子レベルの「食品学」「調理学」「栄養学」。「クックパッド食みらい研究所」特別研究員。分子料理・分子調理ラボ(www.molecular-cooking-lab.net)を主宰しています。食ほど体と心に影響を及ぼすものはないと思いませんか。

震災時の「食」を伝えたい

 先週3月15日(木曜日)の読売新聞夕刊に『震災の「食」伝える』という記事が載りました。

 事前に読売新聞の記者さんから取材を受け、被災時の仙台市内の食事情などをお話ししました。また、先日上梓した「大震災を生き抜くための食事学」にも記事内で触れて頂きました。

 記事の内容は、東日本大震災ライフラインが途絶えたり、食料が手に入らなかった時に、被災者が作った料理や、調理の工夫を記録する取り組みについての紹介です。

 「大震災を生き抜く〜」の巻頭カラーページでも、NPO法人「20世紀アーカイブ仙台」様から電気炊飯釜で作った煮物の写真など、震災時の「食」の画像をたくさん提供して頂きました。

 震災から1年が経ち、被災地であっても震災時の記憶が次第に“薄く”なりつつあります。さらに「食」の営みは毎日行われますので、昨日食べた食事でさえ思い出せないこともあるくらいですから、“あの時”の「食」の記憶も急速に失われているのが現状です。

 私たちのココロとカラダを支えているのは「食」です。震災時の「食」の記憶は、今後の防災を考える上できわめて重要で貴重であることは間違いないでしょう。

 今回、震災の「食」を伝える取り組みを、新聞で取り上げていただいたことは、いち食品研究者、いち被災者として大変意義深いものだと思っています。

 私は、下のある本の裏表紙の写真と文字*1を見るたび、ココロが“わっぐっと”絞めつけられます。

 私は被災時、忘れたいほどのつらい体験はしていませんが、時が経つにつれて、忘れてはいけないことまで忘れてしまいそうです。

 覚えておかなければならないことは、頭のメモリーにしっかりと記録し、自分が伝えられる震災時の「食」のことなどは可能な限り伝えていかなければと思うのです。

*1:[http://fukkou-noroshi.jp/posters/#otsuchi:title=「復興の狼煙」ポスタープロジェクト]