夜食日記

分子調理学者。料理・調理のメカニズムを研究する大学教授。著書に『料理と科学のおいしい出会い』(化学同人)、共訳書に『The Kitchen as Laboratory』(講談社)など。分子料理・分子調理ラボ(http://molecular-cooking-lab.net)を主宰。関心は「食×科学×芸術」。

「大震災を生き抜くための食事学」

 ラジオなどで、「もうすぐ1年」という言葉が耳に入ってくるようになりました。自分でもあまり感じたことのない「特別な感情」が徐々に湧いてきているのがわかります。

 私はあの震災時に、大学で「食」の教育と研究をしている立場でありながら、自分の研究が何も役に立たなかったという無力感にさいなまれました。

 それと同時に「これから、自分ができることをしなければ」という使命感を感じ、この1年自分を動かしてきました。おそらく多くの方が多かれ少なかれそうであったことと思います。

 また、震災後、多くの方との素晴らしい出会いがありました。震災がなければ、ない出会いだったかもしれません。3.11後の新しい出会いを経て、一冊の本を世に出させて頂くことになりました。

 「大震災を生き抜くための食事学」というタイトルの本です。

 東日本大震災から約1年間、「あのとき、ほんとうに食べたかったものは何だったのか」、「また必ず来るであろう大震災を生き抜くためにはどのような備えをしたらよいか」という私の内から湧き出る声と対峙した記録です。

 この本が、「他人ごと」ではなく、「地震の国」に暮らす私たちが直面している震災という大課題に対して、「私ごと」として今後の備えや防災を考える手助けやきっかけになればとても幸いです。

 以下、プレスリリースより抜粋。

書誌タイトル:『必ず来る!大震災を生き抜くための食事学 3.11東日本大震災 あのとき、ほんとうに食べたかったもの』
著者:宮城大学准教授 食品分子栄養学研究室 石川 伸一
出版社:主婦の友社(発行:主婦の友インフォス情報社)

<内容>
●2011年3月11日午後2時46分18秒、宮城大学にて●「はじまり」に過ぎなかった●地震発生当日、自宅にて●「行列賞賛」に感じた違和感●薄暗い洋菓子店と店員さん●“飴“が宝石のように見えた●「食」の復旧に心から安堵●震災時に見えた人の本質、食の本質●コンビニの棚からモノが“流失“し、からっぽになった「怖さ」●物流はまさに“動的平衡“●人は不便さではなく、「落差」で苦しむ●あのとき、ほんとうに「食べたかったもの」●備蓄は考えたくない?●「不便さ」というワクチンを打つ●「甘いものでほっとする」の科学●備蓄食を考えることから普段の食事も変わる●「ゼロリスク」はない、ただ「ローリスク」なだけ

定価:1365円(税込み)
ISBN:978-4-07- 282754 -3
サイズ:四六判 208ページ
発売日:2012/3/9