夜食日記

分子調理学者。料理・調理のメカニズムを研究する大学教授。著書に『料理と科学のおいしい出会い』(化学同人)、共訳書に『The Kitchen as Laboratory』(講談社)など。分子料理・分子調理ラボ(http://molecular-cooking-lab.net)を主宰。関心は「食×科学×芸術」。

ウコンの“赤い”力 〜ある食品研究者の夕食から〜

 ウコン(ターメリック)を用意します。

 薬包紙の載せ、まずその色をよーく観察します。

 黄色(からし色)です。

  • 1品目

 ターメリックを皿に移し、田楽用のこんにゃくと並べ、何かが起こりそうな淡い期待感を抱きます。

 ターメリックをこんにゃくに、“これでもか”とからめます。

 しばらく時間が経つと、こんにゃくが“真っ赤”になります。

 食べやすい大きさに切ります。

 1品目、完成。

  • 2品目

 次、卵を上手に割ります。

 黄身と白身に分けます。

 白身にターメリックを二振りします。

 しばらく置くと、卵白と接しているターメリックが”赤く”なっていることに気が付きます。

 卵白をはしでかき混ぜると、卵白が「卵赤」になるのを確認します。

 その「卵赤」と卵黄をプライパンでそれぞれ焼きます。

 焼き上がったら、皿にそれぞれを盛り付けます。

 2品目、完成。

  • 3品目

 最後は、焼きそば(1食分)を用意します。

 袋から出します。

 熱したフライパンに麺を載せます。

 水を入れて、麺をよくほぐします。

 付属の粉末ソースをかけたい気持ちをグッと抑え、ターメリックを多めに振りかけます。

 炒めると、ナポリタンのように”赤く”なるので、気持ちも色に合わせてヒートアップさせます。

 皿に盛ります。

 3品目、完成。

  • 実食

 三品を眺め、顔も気分も紅潮させます。

 ターメリック以外なにも味をつけていないことにはたと気が付きます。

 そのまま、黙って頂きます。

 “薄いカレーの味”がするという印象を持ちます。肝機能が向上した錯覚を覚えます。

 以上、ある食品研究者の今晩の夕食でした。