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夜食日記

食品研究者が夜中に「食」についてつらつら綴る日記。専門は、分子レベルの「食品学」「調理学」「栄養学」。「クックパッド食みらい研究所」特別研究員。分子料理・分子調理ラボ(www.molecular-cooking-lab.net)を主宰しています。食ほど体と心に影響を及ぼすものはないと思いませんか。

食材王国みやぎ、食材王国とうほく、食材王国にっぽん!

 仙台駅の1階には、宮城県産の食品を扱う「食材王国みやぎ」の店があります。

 昨日そこで、2つの商品を買いました。

 ひとつは、「かまぼこの鐘崎」さんの「おとうふかまぼこ」、もうひとつは、「株式会社ヤマウチ 山内鮮魚店」さんの「リアスの恋人たち」という魚介類の加工品です。
 

 どちらも実においしかったです。特にリアスの恋人たちは、東北の日本酒に最高によく合います。今日私は、お茶で頂きましたが…。

 株式会社ヤマウチさんは南三陸町にあり、その店長さんが日記で今の会社の現状を綴っておられます。

 そのブログを拝見すると、昨日私が購入した珍味はしばらくは簡単に味わえないことがわかります。心よりお見舞い申し上げると共に、陰ながらずっと応援していきたいと思います。

 今回の地震、津波、そして原発による風評被害で、多くの食関連企業や生産者は、大きな打撃を受けました。

 しかし、野菜にしろ、牛乳・牛肉にしろ、限られた在庫の商品にしろ、被災地産のものを買ってくれる人がいるということは、食を提供する側にとって、こんなに勇気づけられることはないでしょう。

  私の所属する宮城大学産業学部は公立大学法人ですので、宮城県の食産業と深く関係しています。食の科学者として自分は何ができるのか、あの地震以来ずっと考え続けています。

 今自分は、ただ地元産のものを買うことくらいしかできず、ただただもどかしく感じます。

 今回の大震災で被災地となったところで生まれ育ち、食の現場に近い立場にいる自分としては、地元の食材の素晴らしさやそれを支えている人の想いを伝えていくことが最低限の仕事だと思っています。

 震災後の極度の食料品不足、福島原発による食品の放射性物質汚染、世界規模での日本産の風評被害、食産業の復興にかける生産者の熱意とそれを支える消費者たちを間近で見てきました。

 私の中の「食」への意識や存在感は、震災前後で大きく変わっています。