夜食日記

食品研究者が夜中に「食」についてつらつら綴る日記。専門は、分子レベルの「食品学」「調理学」「栄養学」。「クックパッド食みらい研究所」特別研究員。分子料理・分子調理ラボ(www.molecular-cooking-lab.net)を主宰しています。食ほど体と心に影響を及ぼすものはないと思いませんか。

ソーダ中毒になったそうだ

 ”ハイボールブーム”以前からうすうす感じていましたが、炭酸飲料の人気が復活しているようです。

炭酸飲料の人気復活 お茶人気一服のなぜ :日本経済新聞


 「炭酸の種類が増えているわ」。コンビニエンスストアに入った明日香は飲料の棚を見て驚いた。ローソンの宮城大輔さん(35)が説明した。「全国で常時扱うよう薦める炭酸の定番は4年ほど前までコカ・コーラ三ツ矢サイダーの2品でしたが、いまは5品に増えました。この間に炭酸を置く棚の面積は最大1.5倍に広がりました。新定番はみな『ゼロ系』です」

 「ゼロケイって何?」。首をかしげる玄輝に食品マーケティング研究所(東京・中央)の小林仁さん(54)が近づいた。「糖類など体に入れ過ぎたくない成分を含んでいないと表示する商品で、炭酸全体をけん引しています。先駆けはカロリーゼロのコーラでした」

 同社によると、炭酸の出荷量が伸び始めたのは2007年。ペットボトル、缶などの容器入りですぐ飲める清涼飲料全体の出荷量は年1800万キロリットル台で頭打ちだが、炭酸は09年までの3年間に20%増加。無糖茶、コーヒーなど上位4品目では突出した伸びで、10年1〜9月も前年同期より4%増えた。小林さんは「炭酸水やビール風味飲料を加えると炭酸市場はさらに拡大します」と付け加えた。

(以下略)

 この記事を読んでちょっと昔を思い出しまして、以前、私がカナダに研究留学中に書いていたブログをそのまま再掲載します。

- 炭酸飲料中毒 -

 カナダに来て間もない頃、ファーストフード店に行ったとき、カウンターで「ポップ Popは何にしますか」と言われ、最初意味が分からなかった。紙コップを目の前にトンと置かれ、その時ポップは飲み物(炭酸飲料)だということを学んだ。ウーロン茶を飲みたかったが、選べる飲み物は炭酸飲料がほとんどで、無炭酸なのは甘そうなレモネードぐらいしかなく、その時は唯一のノンカロリー、ダイエット・ペプシを頼んだ。日本で炭酸飲料は滅多に飲まなかったので、全部飲み切れず、カップの半分ぐらい残したことを覚えている。

 そして、10ヶ月が経った今、家には2リットルサイズの炭酸飲料のペットボトルが常時2本おいてある。缶の炭酸も大きな箱ごと買っている。ファーストフードでは普通サイズのカップでは物足りず、Lサイズにグレードアップしようかと画策しているぐらいである。私の体はいつの間にか炭酸漬けとなってしまった。

 私の住んでいる場所はカナダの内陸にあり、日本と比べると夏も冬も空気が乾燥している。夏の間はよく家で麦茶を作って飲んでいたが、秋以降、のどを潤す飲み物は次第に炭酸飲料へと変わっていった。炭酸を頻繁に飲むようになったのは、日本のようにお茶やスポーツ飲料水を気軽に手に入れることが難しい環境や、こちらの食事との相性も影響しているのだろう。

 近頃は毎朝、乾いた体に最初に流れるのは決まって炭酸飲料である。特に冬の室内は洗濯物があっという間に乾くほど乾燥しているので、常時、炭酸飲料をがぶ飲みしている。日本にいたときには考えられなかった異常事態である。

 この常習性はいったいどこから来ているのであろうか?炭酸のシュワシュワとした物理的な刺激が心地よくなっているのは確かである。炭酸には水やお茶にはない発泡の爽快さがあるので、ついつい手が伸びてしまう。また、コーラなどの炭酸飲料にはたいていカフェインが入ってるので、その中毒となっているのであろうか?何にせよ、飲料メーカーの策略にまんまとはまっている自分がいる。

 私が日本で炭酸飲料を飲んでいた時のことを振り返ってみると、たいてい疲れていたり、忙しかったり、ある程度ストレス状態の時であったように思う。ストレス時には体が刺激物を欲するといわれているが、炭酸飲料とは私にとってそういう代物であった。ということは私は今、ストレスがたまっているのであろうか?あまりそんな風には思えないが…。

 私はノンカロリーであるダイエットの炭酸飲料しか飲まないが、普通の砂糖入りの炭酸を飲んでいたら、糖尿病予備軍間違いなしであろう。今のところ、市販の清涼飲料水はほとんど炭酸しか選択肢がないといった状況であるが、日本に帰ったら何の清涼飲料水を買っているのであろうか。日本でも炭酸飲料を頻繁に買うようになっていれば、完全に炭酸常習者となっている証である。

 カナダから日本に帰国して4年が経ちますが、ええ、見事な炭酸飲料中毒者となりました。1日に1リットル以上の炭酸を飲んでます。まんまと策略にはめられました。

 カナダでは、映画館でこのサイズの↓ポップコーンとコーラを注文していたわたくし。飲み物のカップの大きさが、明らかに”ファミリーサイズ”。そして、この時の私の顔もパンパンに膨らんだ見事な”ファミリーサイズ”でした…。