夜食日記

分子調理学者。料理・調理のメカニズムを研究する大学教授。著書に『料理と科学のおいしい出会い』(化学同人)、共訳書に『The Kitchen as Laboratory』(講談社)など。分子料理・分子調理ラボ(http://molecular-cooking-lab.net)を主宰。関心は「食×科学×芸術」。

香しい「ガレット」の魅力

 知り合いの方に教えて頂いたカフェ「NOTRE CHAMBRE ノートル シャンブル」さんに行ってきました。

水の音あしたの種

食べログ水の音あしたの種

 住宅街の一角にあるお店です。私は、ガレット・コンプレット(チーズと卵とハムのそば粉のクレープ)とダージリンティーを頂きました。ガレットは、厚みのあるタイプでした。店内の雰囲気も良くて、美味しかったです。

 毎月買っている料理雑誌「料理通信」の先月号の特集の一つが、この「ガレット」でした。

進化する粉ものフレンチ 今、ガレット&クレープが急増中!

(左の写真は、料理通信 2010年12月号より)

 今、東京では、ガレット専門店のオープンが相次いでいるようです。フレンチの“粉もの”といえばクレープですが、いま注目すべきは、そば粉を使った食事系のガレットとのこと。

 私は、大が10の三乗付くぐらいのそば好きですが、そば粉のクレープ、ガレットもたまに家で作ります。シンプルなものは簡単に作れます。

 ガレットの発祥は、フランスの北西部に位置するブルターニュ地方で、その土地はやせていましたが、気候風土がそばの栽培に適していたため作付が推奨されていました。日本でいうと、私の住んでいる東北地方のようなものでしょうか。

 通説では、そば粥を偶然焼けた石鍋に落としてしまい、丸く平たく焼けたのがこのガレットの発祥らしいです。

 日本のスタンダードなそばである「きりそば」もおいしいですが、ガレットのおいしさは、何といってもそば粉の焼けたときに生じるあの独特の香ばしい風味です。

 私は、そばを炒った「そば茶用のそば」をスナック代わりにポリポリとよく食べています。1袋を瞬く間に空にするほど、「焙煎そば」が好きです。

 きっと、そば粉の香ばしい香りの中には、私を夢中にする成分が含まれているのでしょう。今度、ガスクロマトグラフィー(GC)で焙煎したそば粉の風味成分を科学的に分析しようと半分本気で考えています。