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夜食日記

食品研究者が夜中に「食」についてつらつら綴る日記。専門は、分子レベルの「食品学」「調理学」「栄養学」。「クックパッド食みらい研究所」特別研究員。分子料理・分子調理ラボ(www.molecular-cooking-lab.net)を主宰しています。食ほど体と心に影響を及ぼすものはないと思いませんか。

もし自分がアリエッティだったら借りる食べ物10選

食料品 食材

 先日、遅ればせながら『借りぐらしのアリエッティ』を観てきました。

 観た方の評価が分かれているようですが、私は十分楽しかったです。ジブリ映画は、どうしても過去の作品が素晴らしすぎるので、評価が相対的に厳しくなるのでしょう。

 劇中に出てくる、アリエッティの周りの生活道具の一つ一つが、小人の生活にリアルさを与えています。アリエッティが身につけているクリップやマチ針、クリップや両面テープなど、私たち人間が使う”小物”が、彼女らの体の小ささを間接的に表現していて、映画中、次に何が出てくるのかわくわくしました。

 ポットから落ちる一滴のお茶でカップ一杯になるとか、1枚のシソの葉や1個の角砂糖が1年もつという世界はどのようなものなのでしょうか。食品研究者としては、普段アリエッティ達が食べているものが気になります。

 食費がかからなくていいだろうなと思った自分が俗世間的でイヤですが、自分がアリエッティサイズだったら何を”借りて”食べたいかを10個ほどピックアップしてみました。

1.お米

 劇中、ビスケットを砕いているシーンがありましたが、アリエッティの原作者はイギリスの児童作家なので、食卓は洋食が中心なのでしょう。しかし、映画の舞台は日本だったので、やはり主食としては、ごはんが食べたいものです。お米4、5粒借りれば、立派な”おにぎり”が作れるのでは。

2.ベビースター

 おやつカンパニーの「ベビースター」は、アリエッティサイズの体だったら、つまむのにちょうどいい大きさのお菓子ですね。ベビースター1粒が、うまい棒1本といった感じでしょうか。ベビースターにはいろいろな味があるので、やっぱりうまい棒に似ている気がします。”プリッツ”の大きさになると、アリエッティレベルでは”巨大プランスパン”ですね。

3.アルファベットパスタ

 スープなどに入れる小さな「アルファベットパスタ」は、小人の主食パスタとして最適なはず。

4.ベルキューブのチーズ

 私の好きなおつまみチーズ「ベルキューブ」は、1個でかなりのボリュームでしょう。アルミで1個1個包まれているので、鞄に入れて持ち運ぶのも便利です。スライスチーズはそのまま食べると、人間でいうと座布団を食べているような感覚になるでしょう。

5.ごま

 ごま一粒一粒が、アリエッティには”くり”ぐらいに見えるでしょうか。ごま好きとしては、天津甘栗のような感覚でごまで味わえるのはちょっと夢ですね。

6.サイコロステーキ

 ハレの日はやはりお肉が食べたいもの。サイズとしては1個のサイコロステーキで、アリエッティ家族3人が十分に満足できる”ビフテキ”となるでしょう。

7.スプレーチョコレート

 チョコレートのお菓子としては、カップケーキなどのトッピングに使われる小さな「スプレーチョコレート」が小人には大きさも固さもちょうどいいでしょう。マーブルチョコレートも私は好きですが、おそらく外のコーティングを割るのに相当苦労するはず。アポロ、タケノコの里、きのこの山などのお菓子は巨大すぎるでしょう。

8.マイクロトマト

 世界最小のトマトである「マイクロトマト」は、アリエッティがかぶりつくにはいいサイズですね。プチトマトでは大きすぎるでしょう。プチトマトはきっとスイカレベルです。

9.ミックスベジタブル

 野菜は、ミックスベジタブルのコーン、ニンジン、グリンピースをそれぞれ1日1個ずつ食べれば食物繊維は十分取れます。

10.キャビア

 やはり、卵は必ず食べたい食材です。ウズラの卵でもきっとダチョウの卵クラスになってしまうので、鳥類の卵ではなく魚卵だとすると、キャビアがサイズ的にはいいでしょうか。イクラではちょっと大きいような気がします。


 映画を観ている時、サイズの生物学の名著『ゾウの時間ネズミの時間』を思い出しました。体の小さいネズミは、ヒトましてやゾウなどと比べて体の割にたくさん食べますから、きっとアリエッティも”大喰らい”でしょうね。

 『サイズの食品学』という分野がありそうな気がしてきました。ファンタジーが、どうしても『空想科学読本』的な思考になってしまうのが、理系のさがですね。ファンタジーも科学も紙一重ですが。