夜食日記

分子調理学者。料理・調理のメカニズムを研究する大学教授。著書に『料理と科学のおいしい出会い』(化学同人)、共訳書に『The Kitchen as Laboratory』(講談社)など。分子料理・分子調理ラボ(http://molecular-cooking-lab.net)を主宰。関心は「食×科学×芸術」。

食品学の定期試験


 定期試験も終わり、大学生たちは本格的な夏休みに突入しました。

 私が担当している食品学(主に植物性食品)では、何人かは追試験対象となりましたが、全体的にはまあまあの出来でした。

 私が作る試験問題は、正誤問題、穴埋め問題、記述問題、自分で問題を作りそれに自分で答える問題(専門の範囲内で)などがあります。だいたい穴埋め問題の結果を見ると、勉強していたかそうでないかが一目瞭然で分かります。

 植物性食品学に関する簡単な正誤問題10問を作ってみました。矢印→の後をクリック&ドラッグすると正解が見れます。合格は、6割以上の正解率です。どうぞ、お試しあれ。

1. トマトに含まれる赤い色素とスイカに含まれる赤い色素は同じ化合物である。
 正解→ 正しい。どちらもカロテノイド色素の一種である”リコピン”である。

2. 絹ごし豆腐は、豆乳をにがりで凝固させる前に絹の布で濾す(こす)ことで滑らかな食感になる。
 正解→ 誤り。豆乳に凝固剤を入れ、容器の中で固めたのが絹ごし豆腐である。

3. 甘ガキ中のタンニンは不溶性で、渋ガキ中のタンニンは可溶性である。干し柿は、可溶性タンニンを不溶化することで脱渋されている。
 正解→ 正しい。可溶性タンニンが渋味の原因である。

4. 湯葉、油揚げ、麸、きなこ、もやしは、すべて大豆から作られる。
 正解→ 正しい。大豆製品は、じつに多種多様である。

5. せんべい類は主にもち米を原料とし、あられ・おかき類はうるち米を原料にしている。
 正解→ 誤り。うるち米から作られたものがせんべい、もち米から作られるものがあられ・おかきである。

6. 中華めんの製造において、酸性の塩類を含んだ”かん水”を使用することで,めんに弾性やこし,風味や色が発生する。
 正解→ 誤り。かん水はアルカリ性。麺は数少ないアルカリ性の食品である。

7. 大麦は、小麦よりも粒が大きいことからその名が付いた。
 正解→ 誤り。大麦、小麦の”大小”は大きさでなく、食事の主(メイン)であるか、そうでないかという意味である。

8. マツタケの香りの成分をマツタケオールという。
 正解→ 正しい。正式には1-オクテン-3オール。ちなみにマツタケの学名は、Tricholoma matsutake

9. 大根をすりおろしたものに、にんじんをすりおろしたものを加えると大根のビタミンCが分解する。
 正解→ 正しい。生のにんじんにはアスコルビン酸酸化酵素を含む。

10. タピオカの原料であるキャッサバには猛毒の青酸配糖体が含まれる。
 正解→ 正しい。利用する際は、十分な水さらしや水洗を行う必要がある。