夜食日記

分子調理学者。料理・調理のメカニズムを研究する大学教授。著書に『料理と科学のおいしい出会い』(化学同人)、共訳書に『The Kitchen as Laboratory』(講談社)など。分子料理・分子調理ラボ(http://molecular-cooking-lab.net)を主宰。関心は「食×科学×芸術」。

おはぎ力

 一ヶ月ほど前のことですが、仙台市郊外の秋保(あきう)温泉に日帰り入浴に行ってきました。

 途中、温泉街にある一見普通の食品スーパーの駐車場が大混雑。中に入ってみると、お惣菜コーナーに人だかり。客のお目当てはこれでした。

 私は知らなかったのですが、秋保で有名な「さいちのおはぎ」のお店でした。1個頂きましたが、素朴で実にいい味でした。

 店内に占めるおはぎ売り場のスペースが、尋常ではありませんでしたが、その向かいのお惣菜も実に魅力的な輝きを放っていました。久しぶりにスーパーで”わくわく”した感情を味わいました。

 食品スーパーの個性や魅力は、なんといってもそこで売られているお惣菜に表れるといっても過言ではないでしょう。売り場面積、商品の品ぞろえ、価格も重要ですが、魅力的なお惣菜を提供している店は、また足を運びたくなるものです。

 大手チェーン系のスーパーを街の至る所で見かける中、さいち(佐市)のように突き抜けた「おはぎ力」のような商品力を持っている店に出会うと、そこに苦境に立たされている小規模スーパーの活路があるように思えてきます。

 今度は、ごま味のおはぎを買いにまた秋保に行こうと思います。

(佐市のパンフより)