夜食日記

分子調理学者。料理・調理のメカニズムを研究する大学教授。著書に『料理と科学のおいしい出会い』(化学同人)、共訳書に『The Kitchen as Laboratory』(講談社)など。分子料理・分子調理ラボ(http://molecular-cooking-lab.net)を主宰。関心は「食×科学×芸術」。

京都での「パフェ論」

 友人の結婚式出席のため妻と京都に行ってきました。久々の京都、冬の京都は初めてです。

 京都にはおいしい和菓子がたくさんあれど、われら無類のパフェ好き。「パフェはおみやげに持って帰れない」ということで、2日の滞在中、以下の”お茶系パフェ”を頂きました。


 中村藤吉カフェ京都駅店にて「まるとパフェ(抹茶)」と「生茶ゼリイ」



 西尾八つ橋茶屋八条口店にて「抹茶パフェ」と「お抹茶(小菓子付き)」



 再び、中村藤吉カフェ京都駅店にて「まるとパフェ(ほうじ茶)」



 最後は、茶寮都路里伊勢丹店にて「都路里パフェ」と「ほうじ茶パフェ」

 パフェの魅力はなんといってもその眺めでしょう。魅惑の食材が並ぶ、広がりのある上からの眺めと、ガラス越しに見える横の層の眺め。妻は上からのアングルが好きといい、私は横から”地層”を眺めるのが好きです。

 さらにパフェは食べる際の、掘り進めていく”発掘作業”がたまりません。甘いものを食べながら、考古学者の気分が味わえます。スプーン(シャベル)が目当ての食材(土器)に触れたときが、私にとってパフェの興奮が最高潮を迎えるときです。

 「パフェは横から眺める派」にとっては、当然のことながら、容器は透明なガラス製でなくてはなりません。パフェグラスは、口のところが広がっており(ひだがあり)、胴体は次第に細くなる形が業界スタンダードです。パフェグラスをよくよく見ると、咲きかけの花びらのように見えます。

 普段、ものを食べるスピードがとてもゆっくりで、食事時間が私の倍ほどはかかる妻は、唯一パフェを食べるときだけ猛烈にスピードが上がり、私は完全に置いていかれます。

 パフェグラスに入れられた甘味をスプーンで夢中になって食べている姿を見ていたとき、まさに蝶や蜂が花の甘い蜜を吸う行為と一緒だなということを今回の京都の旅で学びました。

 つまり、「人はパフェを食べている時、蜂になる」のです。


 おまけ。わが家にはパフェグラスが6個あります…。