夜食日記

食品研究者が夜中に「食」についてつらつら綴る日記。専門は、分子レベルの「食品学」「調理学」「栄養学」。「クックパッド食みらい研究所」特別研究員。分子料理・分子調理ラボ(www.molecular-cooking-lab.net)を主宰しています。食ほど体と心に影響を及ぼすものはないと思いませんか。

節約も限界? 「1食30円」以下に抑えるには、

 近くのスーパーの食料品がどんどん安くなっています。最近は、白菜が1玉100円を切ったり、もやしが1袋10円で売られています。家でビールを飲むのはもはや”ハレ”の日だけで、普段は1缶100円の第三のビールというのがいつからか日常となりました。安売り競争が年々激化し、ハイパーデフレを肌で感じています。

 ここ最近、家計の紐は相当固くなっています。今から4年前くらいは4人家族で一ヶ月の食事を4万円でやってるというと結構頑張っている方でしたが、3年前には3万円になり、2年前には2万円になり、最近では1万円台が出てきました。

 4人家族で一ヶ月1万円台の食事だとすると、一人当たり1食30円くらいでしょう。1食30円というのは、”卵かけごはん”や”ねこまんま”レベルの食事です。もはや食費の節約は”臨界点”まできています。ちなみに、ねこまんまを最近は、”スープごはん”とちょっとお洒落な名前で言うようですね。

あったかおいしいスープごはん(ポプラMOOK)

 それでは私が、食費をさらに1食30円以下に抑える方法を二つお教えしましょう。

 まず、ひとつ目は、”食べないこと”です。

 ちなみに私は、大学1年生の夏休みに、単なる興味本位で絶食しようと思い、一週間、水以外は何も口にしなかったことがあります。はじめの数日は普通に生活していましたが、3日目あたりから、やる気がなくなりただ家でボーっとするだけとなり、5日目に幻覚を見て、7日目に生命の危険を感じたため、家の冷蔵庫にあった乾いたベーコンを慌てて口の中に押し込んだことがあります。久々に食した食べ物の栄養で涙がこぼれ落ちそうになりました。

 また、大学時代、友人は仕送りのお金を早々と飲み代に費やしてしまったために、残りの1ヶ月のほとんどを実家から送られてきた1箱のみかんだけで過ごした強者がいました。毎日みかんだけ食べるというのは当然飽きるらしく、味のバリエーションを広げるために、”みかんの炒め物”や”みかんの漬物”などの斬新な料理を生み出していました。肌の色がだんだんみかんのオレンジ色になっていくのをリアルに驚いた覚えがあります。

 しかし、人は”従属栄養生物”ですから、節約のためとはいえ食べないわけにはいきません。絶食という究極の節約法は当然長続きしません。

 もうひとつの、食費を1食30円以下に抑える方法は、”農業をすること”です。

 実家が米や野菜を作っている農家だったので、その頃から食費は抑えられていました。今でもお米は実家から送ってもらっているので、主食代は基本的にダダです(もちろん、経費はかかっていますが…)。実家にいた頃、ある月、全く店から食料品を買わなかった時もありました。すなわち、一ヶ月食費ゼロです。

 食費をギリギリまで節約することも大切ですが、生きる糧を得るために、”自分で農業を始める”または”農家と知り合いになる”という選択肢を考えてみてもいいかもしれません。