夜食日記

分子調理学者。料理・調理のメカニズムを研究する大学教授。著書に『料理と科学のおいしい出会い』(化学同人)、共訳書に『The Kitchen as Laboratory』(講談社)など。分子料理・分子調理ラボ(http://molecular-cooking-lab.net)を主宰。関心は「食×科学×芸術」。

分子料理教室へようこそ! あなたにも作れます!

 新年ですので、私の夢を一つ披露したいと思います。

 台所に立つと、料理はつくづく「科学」「サイエンス」だなぁと感じます。野菜を炒めたり、パンを焼いたりするときのプライパンやオーブンの中の反応はまさに「化学反応」であり、出来た料理は「化学反応生成物」です。

 料理は経験やコツが大切ですが、食べ物がおいしくなる過程をとことん追求していけば、料理を科学的な視点で見ることがきわめて重要になってきます。料理は、理(ことわり)を料(はか)ると書くぐらいですから、じつに「理系」向きなのです。

 学問の分野において、生物学を分子レベルでとらえた「分子生物学」の登場が、生命科学を劇的に進化させました。今後、料理も分子生物学と同じように、細かーい分子レベルで考えることによって、新しい料理や新しい調理法が誕生し、私たちはより栄養があり、よりおいしく、より体にいい食事を頂くことができるようになるでしょう。

 現在、分子料理法(Molecular Cooking)、分子調理学(Molecular Cookery)、分子ガストロノミー(Molecular Gastronomy)と呼ばれる分野が、誰も思いもしなかった斬新な料理を登場させるかもしれません。

 将来、一般の方に料理を分子レベルでわかりやすく解説する分子料理教室(Molecular Cooking Studio)を開くことが私の夢です。「実験室のような料理教室」もしくは「料理教室のような実験室」といったところでしょうか。

 例えば、通常のアイスクリームと液体窒素アイスクリーム*1の組織構造の違いを電子顕微鏡で観察できたり、色や味が数秒単位で変わるカレーライスなどを作ることができたら、楽しいこと間違いなしでしょう。

*1:食品研究者の夜食日記:[http://d.hatena.ne.jp/yashoku/20091224/p1:title=液体窒素アイスクリーム - 究極のアイスクリーム作り -]