読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

夜食日記

食品研究者が夜中に「食」についてつらつら綴る日記。専門は、分子レベルの「食品学」「調理学」「栄養学」。「クックパッド食みらい研究所」特別研究員。分子料理・分子調理ラボ(www.molecular-cooking-lab.net)を主宰しています。食ほど体と心に影響を及ぼすものはないと思いませんか。

ジャンクフード税、チョコレート税、ラーメン税の時代がやってくる

食と健康 食と経済

 たばこ税の増税が決定されました。来年10月から1本当たり過去最大5円の引き上げにより、1箱300円が400円になるようです。私はたばこは吸わないので大歓迎です。

 たばこ増税は社会保障費の財源確保がメインでしょうが、政府は2010年税制改正大綱では「国民の健康の観点から、たばこの消費を抑制するため」とも説明しています。もはや崩壊寸前の日本の社会保障ですが、平成19年度の国民医療費は34兆1360億円となり過去最高、国民1人当たりの国民医療費は平均26万7200円にものぼります(65歳未満が1人当たり16万3400円で、65歳以上は64万6100円)。

 厚生労働省*1より。

 さらなる超高齢化社会の到来に伴い、国民の医療費負担はさらに急カーブで右肩上がりとなるでしょう。膨れ上がる医療費を圧縮するために、政府はいろいろな知恵を出す必要があります。

 たばこ税増税の次なるターゲットは、ひょっとしたら脂肪含量の高いファストフードやスナック菓子に課税する「脂肪税(fat tax)*2の導入かもしれません。

 実際、「ジャンクフード税」の導入がアメリカ*3や台湾*4などで検討されています。また、オバマ大統領は「炭酸飲料税」の導入に前向きとのニュース*5もあり、イギリスでは「チョコレート税」の導入*6なども議論されています。

 今後、医療費の問題が深刻化すればするほど、医療費負担という経済的な観点では、肥満や不健康な人は社会から目の敵にされるでしょう。「肥満税」や「不健康税」という形で国が個人の健康や食事に関与してくる嫌な時代になるかもしれません。ウエスト周りが立派なお父さんは、「メタボリックシンドローム税(メタボ税)」という「特定財源」を負担しなければならなくなるかもしれません。いわば、国を挙げての「メタボ狩り」です。

 ひょっとしたら、国民食であるラーメンやカレーライスにも、塩分や脂肪分が多いという理由で「ラーメン税」や「カレーライス税」が導入されるかもしれません。50年前に地球温暖化対策の「環境税」が導入されることを予測した人はほとんどいなかったように、50年後はラーメンが特別に課税される可能性もまんざら絵空事ではないでしょう。

*1:厚生労働省:[http://www.mhlw.go.jp/za/0902/d01/d01.html:title=平成19年度国民医療費の概況について]

*2:Wikipedia:[http://en.wikipedia.org/wiki/Fat_tax:title=Fat tax]

*3:FujiSankei Business i.:[http://www.business-i.jp/news/special-page/oxford/200909180004o.nwc:title=米、導入機運高まる“ジャンクフード課税” 新たな財源 食品業界は猛反発]

*4:AFPBB News:[http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2677436/5075225:title=台湾、世界初の「ジャンクフード税」導入へ]

*5:WSJ.com:[http://online.wsj.com/article/SB124208505896608647.html:title=Soda Tax Weighed to Pay for Health Care]

*6:AFPBB News:[http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2581817/3911261:title=英医師が「チョコレート税」提言、肥満防止効果はないとの批判も]