夜食日記

分子調理学者。料理・調理のメカニズムを研究する大学教授。著書に『料理と科学のおいしい出会い』(化学同人)、共訳書に『The Kitchen as Laboratory』(講談社)など。分子料理・分子調理ラボ(http://molecular-cooking-lab.net)を主宰。関心は「食×科学×芸術」。

雑食動物のジレンマ

 久々の更新です。
 先月に「雑食動物のジレンマ」という本を購入しました。
雑食動物のジレンマ 上──ある4つの食事の自然史 雑食動物のジレンマ 下──ある4つの食事の自然史
 原書は「The Omnivore's Dilemma」という日本語と同じ意味のタイトルです。原書も持っていたのですが、結局読まずじまいで本棚で爆睡中です・・・。
 私は「今日は何食べようか?」と悩むことが多いですが、これはよく考えると、食べ物が、いつでも、どこでも、なんでも手に入る現代の飽食日本ならではの感覚です。
 人類の食生活の歴史を振り返ると、食料があふれている時代はごくごく最近のことであり、しかも、一部の先進国のみの現象です。私たちの祖先は、幾度となく生命を脅かす飢餓に瀕し、日々の最大の心配事が「食」であったことは間違いないでしょう。
 ヒトが雑食動物になり、そして火を使えるようになったことがヒトを大きく進化させたと考えられています。しかし、雑食動物になり、自分で食べ物を選べる時代なったことでヒトはあるジレンマを抱えることになりました。
 「何を食べるべきか?」という問題です。
 何でも食べられる雑食動物だからこそ、食べもの、食べ方を間違えば、肥満や病気になり、最悪の場合は死に至ります。
 人間は、「食べ物」という物質から出来ていることを改めて感じさせる本です。