夜食日記

分子調理学者。料理・調理のメカニズムを研究する大学教授。著書に『料理と科学のおいしい出会い』(化学同人)、共訳書に『The Kitchen as Laboratory』(講談社)など。分子料理・分子調理ラボ(http://molecular-cooking-lab.net)を主宰。関心は「食×科学×芸術」。

1千年前のマンモスの肉

 大昔の昆虫が美しい琥珀に閉じ込まれた姿で発見されることがあります。映画「ジュラシック・パーク」でも琥珀に埋もれた蚊からDNAを抽出するシーンがありました。

 また、完璧な保存状態のマンモスが永久凍土層から姿を現すこともあります。1799年、ある北方系民族の漁師がシベリアの氷の中から世界初の凍結マンモスを発見しました。マンモスの胃の中には食べたばかりの草と松ぼっくりがまだ残っていました。

 19世紀のはじめ、オックスフォードの鉱物学の教授であったウィリアム・バックランドは、招いたお客たちにある肉を振る舞いました。教授はみながその肉を食べた後で、こう言いました。

 「みなさん、みなさんがたった今お召し上がりになったのは、1千年前のマンモスの肉です!」