夜食日記

食品研究者が夜中に「食」についてつらつら綴る日記。専門は、分子レベルの「食品学」「調理学」「栄養学」。「クックパッド食みらい研究所」特別研究員。分子料理・分子調理ラボ(www.molecular-cooking-lab.net)を主宰しています。食ほど体と心に影響を及ぼすものはないと思いませんか。

世界金融危機になって良かったこと—その1

 世界金融危機による不況、不況の大合唱。マスコミのネガティブキャンペーン真っ最中。WBCでの侍ジャパンの決勝進出も決まったことですし、あえてポジティブな発想を繰り出してみたいと思います。

 経済危機になって、生活上良かったのは、なんといっても「原油価格と穀物価格の下落」です。

 車を運転する身ですので、原油価格の変動をガソリンスタンドで日々ダイレクトに感じることができました。地方では、車が必需品ですので、ガソリン価格の下落が家計に与えるメリットはかなり大きいでしょう。今となっては、あのガソリン高騰に踊らされていた時期はいったい何だったのかとあきれるばかりです。

 また、食の分野で言えば、穀物価格の下落も大変嬉しい出来事です。

 穀物価格の推移を見てみると、米も小麦も大豆もトウモロコシも金融危機前に最高値を示し、危機後に暴落しています。

農林水産省/世界の穀物需給及び価格の推移(グラフ)から。

 穀物価格の高騰は、不作による影響ともいわれていましたが、上のグラフからもいかに穀物が金融投資の目的になっていたかが分かります。

 私たちの生命の基となる食料が、一部の強欲な者達によってその価格が釣り上げられていたことに私は強い憤りを感じます。世界ではまだまだ貧困が解決されていないのに、命の源となる穀物を投資目的にしていた奴を許せることなど到底できません。今後も、そんな輩を再び登場させてはいけないでしょう。

 金融危機になっていなければ、まだまだガソリン市場や穀物市場に投資資金が流れ込み、価格は高いまま維持され、私たちの生活を圧迫していたでしょう。そう考えると、100年に一度の経済危機で少しはまともな状態に戻ったと言えるのかもしれません。