夜食日記

分子調理学者。料理・調理のメカニズムを研究する大学教授。著書に『料理と科学のおいしい出会い』(化学同人)、共訳書に『The Kitchen as Laboratory』(講談社)など。分子料理・分子調理ラボ(http://molecular-cooking-lab.net)を主宰。関心は「食×科学×芸術」。

あふれる食関連の資格

 食に関する資格は、世の中にあふれています。

 ざっと上げてみても、フードスペシャリスト、フードコーディネーター、フードアナリスト、フードサイエンティスト、フードビジネスコーディネーター、食生活アドバイザー、家庭料理技能検定、テーブルコーディネーター、薬膳アドバイザー、日本茶インストラクター、日本茶アドバイザー、チーズプロフェッショナル、ベジタブル&フルーツマイスターなどがあります。

 食関連資格は、50以上あるでしょう。明らかに、インフレ気味です。

 しかも、どれも世間的には認知度が薄い資格ばかりです。教養を深めるのにこれらの資格の取得は良いと思いますが、学生の就職に役立つものは残念ながら皆無です。履歴書にこれらの取得資格を書くことで、就職活動の面接でネタにすることができるくらいでしょう。

 食の資格で横綱級は、やはり国家資格の「管理栄養士」です。他の資格と比べると、勉強しなければいけない量は比較になりません。

 また、食品衛生管理者、食品衛生監視員は食品製造、食品行政には必須の資格なのでまあお勧めの資格です。

 民間の資格は、まだまだ歴史が浅いものが多く、数も多いため、ほとんど認知されていません。この認知度というのが、資格では重要なファクターです。分かりやすい資格のネーミングも大切かもしれません。

 私は大学人なので、資格というとどうしても学生の就職に結びつけてしまいがちですが、新たな知識を得るプロセスと考えれば、就職に全く役立たなくてもいいではないかという思いもあります。ただ、就活に苦労している学生を見ると、食の分野でも「医師」や「獣医師」のように業務独占資格があればと思うわけです。