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夜食日記

食品研究者が夜中に「食」についてつらつら綴る日記。専門は、分子レベルの「食品学」「調理学」「栄養学」。「クックパッド食みらい研究所」特別研究員。分子料理・分子調理ラボ(www.molecular-cooking-lab.net)を主宰しています。食ほど体と心に影響を及ぼすものはないと思いませんか。

宇宙食文化交流

食の未来 食文化

 今、世界中で日本食が人気です。それは世界中だけでなく、宇宙でも?のようです。

【日々是宇宙 ISS長期滞在】(2)食事 食文化の融合の場に


 宇宙生活の楽しみの一つは食事だ。国際宇宙ステーション(ISS)の飛行士たちは、朝昼晩にロシア居住棟の食堂に集まり、小さなテーブルを囲む。
 無重力の食卓は独特の工夫がいる。まず体が浮かないように、足元を器具で固定。食べ物もゴムや面ファスナーでテーブルに固定しないと、どこかへ行ってしまう。
 冷凍乾燥食品を約80度のお湯で戻したり、缶詰をヒーターで温めたりして食べる。レトルトパックを切るため、ハサミは必需品だ。肉類などは一口サイズなので切る必要はないが、ナイフは「食卓にあるべきだ」という文化的理由から常備されている。
 皿やコップはなく、容器からフォークなどを使ってそのまま食べるのが基本。日本のはしを使うこともある。食べたものが口から飛び出すと、あたりを浮遊して困るので会話はほどほどに。くしゃみをしたら大変だ。
 無重力の利点もある。食べ物をこぼしても、下に落とす心配はない。飛行士たちは、好みの食材をキャッチボールのように投げ合って交換するなど、宇宙ならではの食事スタイルを楽しむ。
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 ISSの定番メニューは米露が供給する約300品目。16日周期で同じ献立を繰り返すので、しばらくすると飽きてしまう。食材もステーキなど脂っこいものが多い。そこで宇宙航空研究開発機構(JAXA)はヘルシーな「宇宙日本食」を開発、長期滞在する若田光一さんに全28品目を食べてもらう。
 サバのみそ煮、サンマのかば焼き、山菜おこわなど、いずれも日本人になじみの味だが、欧米飛行士にも予想以上に好評だ。若田さんは日本食を私物として持参するが、JAXAは今後、100品目まで増やして宇宙食の定番入りを目指す。

 中沢孝主任開発員は「将来の目標はすし、刺し身、煮物。特別な味ではなく、地上のおいしさを宇宙で再現したい」。2011年に長期滞在する古川聡さんは「好物のすしを、すしらしく食べられたら」と期待する。
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 宇宙食の課題は野菜不足だ。ISSに食品用の冷蔵庫はなく、新鮮な野菜は物資補給のときしか食べられない。若田さんは今回、東北大などが開発した長期保存可能な特殊シートにリンゴを入れて持参し、効果を試す。
 地上の隔離環境の南極も事情は同じ。昭和基地に滞在した隊員は「生野菜が無性に食べたくなった」と話す。JAXAは南極食のノウハウを宇宙食に応用できないか検討を始めた。
 新たな宇宙食は日本だけでなく、欧州宇宙機関(ESA)がフランス料理や地中海料理を開発中で、カナダも提供を目指している。米露の対立から国際協調へ転じた宇宙ステーション。食文化もにぎやかな融合の時代を迎えつつある。(長内洋介)


(MSN産経ニュース 2009.2.18 22:12)

 海外に行ってしばらく経つと「日本食」が恋しくなるものです。日本人の宇宙飛行士なら、宇宙でも当然日本食が食べたいでしょう。宇宙ですしが食べられたらいいですね。

 宇宙飛行士は、危険な暗黒に浮かぶ密閉した狭い部屋で生活するわけですから、かかるストレスも相当なはずです。ストレス解消に「食」は、不可欠です。食べ慣れた食事は、肉体的にも精神的にもリラックス効果があります。

 SFのように人が宇宙で生活するようになっても、未来の宇宙の食事は、数世代の間は地球のものときっと変わらないでしょうね。人の食習慣は、簡単には変わりませんから。