夜食日記

分子調理学者。料理・調理のメカニズムを研究する大学教授。著書に『料理と科学のおいしい出会い』(化学同人)、共訳書に『The Kitchen as Laboratory』(講談社)など。分子料理・分子調理ラボ(http://molecular-cooking-lab.net)を主宰。関心は「食×科学×芸術」。

国産ナチュラルチーズ里めぐり


 先週末行った安比高原スキー場の近くにある安比高原雪牧場というところで、ナチュラルチーズを2種類買って帰りました。買ったゴーダチーズとホワイトチーズ(ストリングチーズ)ともに、日本人にあった穏やかな味で、自宅で美味しく頂きました。


 その雪牧場に、社団法人日本酪農乳業協会発行の「国産ナチュラルチーズ里めぐり」というパンフレットが置いてあったので、もらってきました。ナチュラルチーズを製造していている全国70のメーカーが載っています。中でも酪農大国である北海道のチーズメーカーが35と、半数以上を占めています。チーズ好きですので、将来、このパンフを利用して、日本全国のナチュラルチーズ行脚をしてみたいものです。


 フランスなどのヨーロッパに比べたら、日本のチーズの歴史はまだまだ浅いですが、国産ナチュラルチーズのレベルは年々上がっているようです。料理雑誌の「料理王国」2008年4月号でも、「国産チーズ図鑑」という特集が組まれていました*1

 その特集では、北海道十勝地方のメーカーを数カ所取材していました。海外から技術を導入しているだけではなく、日本酒で洗ったウォッシュチーズなど日本独自のチーズを精力的に開発しているようです。

 プロセスチーズから始まった日本のチーズ文化ですが、本格的な国産ナチュラルチーズを食することができる時代になってきました。国内チーズメーカーはだいぶ健闘しています。今後、国産ナチュラルチーズが繁栄するか、衰退するかは、製造メーカーではなく私たち消費者にかかっているといえるでしょう。

 ネスレなど世界的な乳業メーカーは売り上げを伸ばしていますが、日本の乳業業界は、飼料の原料高、牛乳の消費低迷、酪農家の後継者不足など苦境に立たされています。将来、日本産の牛乳や乳製品を持続的に入手したいのであれば、私たちは国産メーカーが熱心に作っているチーズなどを消費という形で応援していく必要があるでしょう。

 

*1:料理王国2008年4月号:p. 64~77