夜食日記

食品研究者が夜中に「食」についてつらつら綴る日記。専門は、分子レベルの「食品学」「調理学」「栄養学」。「クックパッド食みらい研究所」特別研究員。分子料理・分子調理ラボ(www.molecular-cooking-lab.net)を主宰しています。食ほど体と心に影響を及ぼすものはないと思いませんか。

遺伝子組換え食品の表示の問題

 昨日のブログで書いた冷凍食品の原産地表示の問題とある問題が全く同じだということに気がつきました。それは、遺伝子組換え食品の表示の問題です。

 冷凍食品の原料原産地表示は、原産地の情報を消費者に提示するもので、商品の「安全性」を表示している訳ではありません。しかし、実際は、多くの消費者は、国内産は安全で外国産は危ないという意識で商品を選んでいます。

 また、遺伝子組換え食品に関する表示*1は、大豆の例だと、「大豆(遺伝子組換え)」、「大豆(遺伝子組換え不分別)」「大豆(遺伝子組換えでない)」などがあります。私たちが豆腐や納豆のパッケージでよく見る「遺伝子組換えでない」という表示は、実は表示してもしなくてもいい「任意表示」です。一方,遺伝子組換え大豆を使っている豆腐や納豆などは、必ず表示しなければならない「義務表示」になっています。

 遺伝子組換えの表示は、原産地表示と同様にただその情報を提示しているだけで、遺伝子組換え食品が危険といっているものではありません。しかし、市場で私たちが目にする表示は「非遺伝子組換え」だけです。「大豆(遺伝子組換え)」という表示が書かれている納豆を私はスーパーで見たことがありません。

 食品に関するさまざまな表示は、消費者が商品を選抜するときの判断基準の一つとして用いられるものです。遺伝子組換え食品、非遺伝子組換え食品の選別も、最終的に消費者が判断するべきだと思いますが、実際市場で見る商品は非遺伝子組換え食品だけなので、選別できる状態にはなっていません。

 「外国産が危険であるという風潮」、「遺伝子組換えが危険であるという風潮」だけで食品を評価していいのか、私は大変疑問に感じます。

 現代人は忙しいですが、外国ではどのように食品を作っているのか、遺伝子組換え食品はどのような技術で作られているのかなど、それらの食品に対する興味や知識を持たなければならないような気がするのです。

 

*1:[http://www.mhlw.go.jp/topics/0103/tp0329-2c.html:title=遺伝子組換え食品に関する表示について]