夜食日記

分子調理学者。料理・調理のメカニズムを研究する大学教授。著書に『料理と科学のおいしい出会い』(化学同人)、共訳書に『The Kitchen as Laboratory』(講談社)など。分子料理・分子調理ラボ(http://molecular-cooking-lab.net)を主宰。関心は「食×科学×芸術」。

私たちは将来「食べていける」のか?

 毒入り餃子事件からちょうど一年。中国産食品の信頼度は幾度となく地に落ちた感があります。しかし、「国産で安い食品を食べたい」などとは到底言えない時代がやってきそうです。

穀物価格3〜4割アップ…2018年農水省予測


 食料の名目国際価格が2018年に06年比で3〜4割上昇するとの試算を、農林水産省がまとめた。

 世界人口の増加などで食料需給は逼迫(ひっぱく)した状況が続き、穀物で34〜46%、肉類で31〜41%、乳製品で43〜81%、それぞれ値上がりすると予想している。


(2009年1月18日02時37分 読売新聞)

 米国サブプライムローン問題を発端とする株価暴落で、投資目的で穀物市場に流れ込んだ資金がだいぶ引きあげ、穀物価格は予想よりも上昇しないかもしれません。しかし、食料生産はなにぶんお天道様次第なのでどうなるか全く分かりません。

 世界的な食料需要が増加するのは間違いないでしょうから、これから食べ物は値上がりすることはあっても、値下がりすることはそうそうないと考えておいた方が身のためでしょう。

 「中国産はイヤだ」という以前に、中国産の食品が中国国内で消費され、日本には回って来ない事態も予想されます。10年後、世界的な食品価格の高騰の中で「昔、中国産を嫌がっていたけど、あの時、中国産とうまくつきあっておけば良かった」と後悔する時代がやって来るかもしれません。

 私たちは将来、文字通り「食べていける」のでしょうか。