夜食日記

分子調理学者。料理・調理のメカニズムを研究する大学教授。著書に『料理と科学のおいしい出会い』(化学同人)、共訳書に『The Kitchen as Laboratory』(講談社)など。分子料理・分子調理ラボ(http://molecular-cooking-lab.net)を主宰。関心は「食×科学×芸術」。

素人にフグ料理を出されたら

 今日、あり得ないニュースを目にしました。

山形のフグ中毒、無資格で白子料理出す


 26日午後10時頃、山形県鶴岡市大西町の飲食店「鮮魚料理きぶんや」(相沢巌店長)で食事をした客から「手足がしびれる」などの119番通報が相次ぎ、7人が市内の病院に運ばれた。
 同市青柳町、無職佐藤朝吉さん(68)が意識不明の重体。同所、公民館職員五十嵐孝志さん(55)が意識障害などの重症で、60歳代の男性5人が手当てを受けた。
 鶴岡署の発表によると、佐藤さんらはフグの白子の料理を食べており、同署は、フグ毒が原因の食中毒とみて、業務上過失傷害などの疑いで店側から事情を聞いている。
 同店には、フグ調理ができる「フグ取扱者」の有資格者はおらず、相沢店長は「常連客なので特別に出した。白子の調理は今回が初めて」などと話しているという。


(2009年1月27日11時23分 読売新聞)

 フグ調理の免許のない人が、お店でお客にフグ料理を出すこと自体、全く信じられません。絶対にあり得ないことです。フグの種類によって、白子を食べることが禁止されている*1ことをこの店長はおそらく知らずに出したのでしょう。

 フグに毒があり、免許がないと調理できないことは、この店の店長ももちろん知っていたはずです。「今回常連客に特別」とあるので、自分ではよく食べていて、大丈夫という判断があったのかもしれません。

 食品衛生の世界で、無知とは実に恐ろしく、罪深いものです。

 

*1:[http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kenkou/anzen/anzen_info/shizendoku/hugu/:title=危険がいっぱい ふぐの素人料理 東京都福祉保健局]