夜食日記

食品研究者が夜中に「食」についてつらつら綴る日記。専門は、分子レベルの「食品学」「調理学」「栄養学」。「クックパッド食みらい研究所」特別研究員。分子料理・分子調理ラボ(www.molecular-cooking-lab.net)を主宰しています。食ほど体と心に影響を及ぼすものはないと思いませんか。

食材

カレー「専用米」の登場―料理のゴールを考えた『料理育種』

私たちが主食としている「一般米」と日本酒用の「酒米」の品種が違うことは多くの人が知っているでしょう。しかし、「カレー専用米」、「寿司専用米」、「リゾット専用米」が品種改良によって登場していることはご存知でしょうか。 カレー専用の米「華麗舞」…

塩レモンがおいしくて、塩ブドウがおいしくない理由

前回のエントリーで紹介した自家製「塩ブドウ」。 塩レモンブームに乗って、「塩ブドウ」を作ってみたら… - 夜食日記 あまりの“おいしくなさ具合”にその理由を考えたくなりました。 そもそも、多めの塩と果物との相性がいい食品の例といえば、ブームとなって…

塩レモンブームに乗って、「塩ブドウ」を作ってみたら…

今年、万能調味料として大ブームを巻き起こしている、塩レモン。塩レモン関係のレシピ本を本屋でたくさん見かけます。 さらに、そのブームに乗って現在、塩トマトや塩たまねぎなど“塩◯◯”シリーズが続々と登場しているようです。 秋は果物の一番おいしい季節…

23歳が開発した食品の新鮮さを見分ける「生体反応性ラベル」とは?

スーパーで買って冷蔵庫に数日置いてしまった肉を食べようかどうか迷った末、もったいないけど捨ててしまった経験がある方もいることでしょう。 世界全体で人の消費向けに生産された食料のおおよそ3分の1、量にして年間約13億トンが捨てられていると言われ…

Q. スイカって野菜なんですか、果物なんですか? はっきりして下さい!

A. “園芸”的には野菜、“食品”的には果物ですかね。世の中、はっきりしないことも多いのです。 私が担当している食品学の講義で、「野菜と果物」の回に決まって聞かれる質問です。 農学系の学科と食品系の学科、両方の学生に教えているのですが、スイカやメロ…

コオロギでだしを取る@世界のベストレストラン

6月に入りました。6月といえば、あさって6月4日は、虫の日ですね。 昨年、国連食糧農業機関(FAO)が昆虫食を推奨する報告書を発表し、多方面で話題となりました*1。 今年に入っても、ハーバード大学の卒業生、女性3名が「コオロギチップス」を考案し*2…

「つぶあんvsこしあん」論争の棚ぼた的解決法

本年度、日本豆類協会という公益財団法人から研究費をいただき、小豆の「餡(あん)」の研究をしています。 「あんの“おいしさ”の分子論的な解析」を行っているのですが、あんの奥深さにハマっています。 (写真:仙台では知る人ぞ知る「さいちのおはぎ」) …

フードペアリング仮説 「“科学的”食材組み合わせ」による新メニューの開発

よく「日本料理は“引き算”の料理、フランス料理は“足し算”の料理」といわれます。 日本料理は、余計な調理を極力省き、素材そのものの味を引き立たせることを優先させるのに対し、フランス料理は、多彩な食材を組み合わせ、深みのあるソースが味のベースにな…

“人工イクラ”が「オリーブオイル・キャビア」になって凱旋帰国!?

この前、スペイン、バルセロナのオリーブオイル専門店で買った「オリーブオイル・キャビア」を食べてみました。 クラッカーの上に、モッツァレラチーズとトマトと一緒に載せてみましたが、見た目がキラキラして綺麗ですね。 食感は、イクラと同じように“プチ…

多彩な“食感”を生み出す「トランスグルタミナーゼ」の分子ガストロノミーへの応用

食品のおいしさを増強させる反応に「熟成」があります。味噌や醤油、ワインやウィスキー、食肉や魚肉などを、適切な状態で適切な時間寝かせることによって、「おあずけ」されただけのことはあるおいしさを手に入れることができます。 熟成の反応は、基本的に…

「“試験管培養肉”ハンバーガー」の登場は、“食料生産新時代”の幕開けか?

先月はじめ、試験管でウシの細胞を培養してつくられた“試験管培養牛肉”を使ったビーフバーガーが調理、試食されるというニュースがありました。 (画像:CNN.co.jpより) オランダのマーストリヒト大学の生理学者マルク・ポスト教授らが、ウシの幹細胞を培養…

手巻き寿司パーティ@ラボ

昨年卒業した研究室OBのH君から、マグロの赤身とネギトロの「お中元」がクール宅急便で届きました。 くぅ〜〜、わかってるね〜、H君!! 本日のランチに、ラボメンバーと手巻き寿司でマグロ群を堪能しました。 すし飯よりもネギトロを多くして巻いた、「ゴー…

果物の一番甘い部分はどこなのか?

夏の終わりが近づいて来ました。 湿度が低下し、空気が次第にクリアーになっているのが、通勤時に見る木々の緑色と空の青色の「彩度」から感じます。 真夏の暑い時期、汗をたっぷりかいた後にいただいた冷え冷えのスイカやモモなどのみずみずしいおいしさは…

大学で講義をする“醍醐味”とは?

先週、前期分の講義がすべて終了しました。前期は、学部の講義が4つ、大学院の講義が5つでした(分担が多い)。 大人数の講義ですと、講義中「何か質問はありますか?」と聞いても、手を挙げる学生はほとんどいません。 それは、彼らに質問したいことが全…

花いちじくの天ぷら

昨日、あるお店で「花いちじくの天ぷら」というものを食べました。 イチジクは秋頃に旬を迎える果物ですが、夏の一番はじめに数個だけ収穫できる小さいイチジクのことを「ハナイチジク」と呼ぶそうです。 もともとイチジクは、花を咲かせずに実をつけるよう…

“Umamiバーガー”から考える「うま味」の存在意義

前回の「うま味」のブログ記事*1に関連したネタを一つ。 「Umamiバーガー」ってなに? 現在、マクドナルドで「クォーターパウンダー」の数量限定「¥1,000バーガー」キャンペーン*2が行われていますが、CMからはおいしさ感がにじみ出ていますね。 バーガーの…

ウナギが無ければアナゴを食べればいいじゃない!

今年の「土用の丑の日」は約2週間後の7月22日。 コンビニなどで「うな重予約」の広告を見かけるようになりました。 それと同時に、「ウナギ稚魚不漁で価格高騰」*1「ウナギ高騰で老舗閉店」*2「ニホンウナギ 絶滅危惧種指定を検討へ」*3といったニュース…

地域の在来野菜で作るレシピ集

先日の山形県の庄内地方の鶴岡に模擬講義に行った帰りにいくつかおみやげを買ってきました。「だだちゃ豆」のフリーズドライとせんべい。↓ だだちゃ豆といえば、鶴岡の在来エダマメの総称で、私にとってビールの最強のお供です。 だだちゃ豆とその親戚系統は…

『巨人、大鵬、卵焼き』時代の「卵」の昇進っぷり

昨日の読売新聞の記事*1から。 「巨人、大鵬、卵焼き」名フレーズの始まりは… 昭和を代表する大横綱が逝った。元大鵬の納谷幸喜(なやこうき)さんが19日、72歳で亡くなった。 「巨人、大鵬、卵焼き」という言葉に象徴される高度経済成長時代の主役の一…

さんま3兄弟

♪ 作詞:秋刀 魚、作曲:秋刀 魚、歌:秋刀 魚 秋になったらさんま さんま 今が旬のさんま さんま 安くておいしいさんま さんま さんま3兄弟 「焼きさんま」の長男 長男 「かまぼこ」になった三男 三男 「チョコ」になった次男 次男 さんま3兄弟 スーパー…

エンド・オブ・サマー・ミール End-of-Summer Meal

午前中、勤務先から離れた別のキャンパスで会議があり、帰りに、仙台北環状線沿いの讃岐うどんのお店でお昼をいただいました。 半熟玉子天うどんの「ひえひえ」。とても、おいしかったです。 日本全国、厳しい残暑が続いていますが、仙台は今週末から最高気…

世代によって言葉は失われていくが、食文化は生き残る - 日系ブラジル人の話から

今月上旬に行ったブラジルでの国際学会で、学会会場のあるフォス・ド・イグアスに行く前に、飛行機の関係でサンパウロで1泊する必要がありました。 ブラジルというか南米に行くこと自体が今回初めてだったので、安全を考えてサンパウロの空港から泊まるホテ…

昆虫食入門

おととい、6月4日は、「虫の日」でした。 昆虫採集を趣味に持つ著名人の方はたくさんいらっしゃいます。昆虫少年が、そのまま昆虫の研究者となった友人もいます。 「虫」と私の専門「食」を結びつけるのであれば、必然的に「昆虫食」となるでしょう。 最近…

料理を“ワッフル化”する 〜エピローグ〜

前回のつづき。 プロローグで始まった「料理を“ワッフル化”する」の一連のブログ。このエピローグで締めたいと思います。 電気店に残された「たこ焼き器」 3.11東日本大震災で被災し、ライフラインが断たれた後の話から。 ライフライン途絶後、私の家は電気…

日本料理を“ワッフル化”する 〜焼きおにぎりッフル、焼き豆腐ッフルなど〜

前回のつづき。 ワッフル化の最終回は、日本料理のワッフライズ。日本料理といっていいのか微妙なところですが、日本の食材などのワッフリングを5連投で。 プチ感想とともに。 もち × ワッフルメーカー = もちッフル 定番のもちのワッフル化。別名、モッフ…

パンを“ワッフル化”する 〜ハンバーガーッフルとサンドイッチッフル〜

前回のつづき。 2012年のゴールデンウィークGWも今日で終了。このゴールデンワッフル(GW: Golden Waffle)週間も終わりとなります。 ゴールデンウィーク中、多くの方が海外や行楽地へと出かけたことでしょう。私は、近所での散歩以外はどこにも出かけること…

魚介類を“ワッフル化”する 〜焼き魚ッフルと焼きいかッフル〜

前回のつづき。 肉のワッフル化をしたので、魚もワッフル化しないわけにはいかないでしょう?ということで、魚介類の中から「鮭」と「いかの一夜干し」、そして魚練り製品の「はんぺん」の3品をチョイスして、ワッフライズ! 鮭 × ワッフルメーカー = 焼き…

中華料理を“ワッフル化”する 〜餃子ッフルと焼きそばッフル〜

前回のつづき。 中華料理のワッフル化(ワッフライズ)に挑戦。 もはや日本食として定着しているので「中華」といっていいのかわかりませんが、愛すべき庶民食ともいえる「餃子」と「焼きそば」をチョイス。 餃子は皮から作製、焼きそばはかた焼きそばにして…

イタリア料理を“ワッフル化”する 〜ピザッフルとパニーニッフル〜

前回のつづき。 イタリア料理といえば、ピザでしょう。 ピザをワッフル化(ワッフライズ)してみます。 ピザは、ピザの代表格のトマトソース、バジル、モッツァレラチーズのマルゲリータと、オニオンとブラックオリーブのシンプルピザの2種類。生地は、非発…

朝食(パン食)を“ワッフル化”する 〜トーストッフルと目玉焼きッフル〜

前回のつづき。 毎朝私は、ほぼ「卵かけご飯」を食べていますが、本日はトーストと目玉焼きを頂きました。ともにワッフル化(ワッフライズ)したものを。 食パン × ワッフルメーカー = トーストッフル 生卵 × ワッフルメーカー = 目玉焼きッフル 感想 トー…