夜食日記

分子調理学者。料理・調理のメカニズムを研究する大学教授。著書に『料理と科学のおいしい出会い』(化学同人)、共訳書に『The Kitchen as Laboratory』(講談社)など。分子料理・分子調理ラボ(http://molecular-cooking-lab.net)を主宰。関心は「食×科学×芸術」。

食の歴史

人類史上、最も偉大な“食の発明”とは何か?

ちょうど一年前ぐらいに、英国の王立協会が発表したニュースから食の話題をひとつ。 わたしたち人類の歴史を振り返れば、ほとんど“飢え”との戦いの歴史でした。有史以来、「今日、食べることができるか?」が人の関心の中心にあったことでしょう。 現代の人…

「生きのびる食」@食文化誌ヴェスタvesta

生きのびたい

「ファッションフード、あります。」

「食」の研究をしていますが、日本人ほど食べものに興味がある国民はいないとつくづく感じます。 日本ほど世界中のいろいろ料理が食べられる場所は稀有であり、TVのチャンネルを回せがひっきりなしに食の情報が流され、レストランではいたるところで料理の写…

スペイン人の豚肉へのこだわり 〜生ハムはイスラム教徒への踏み絵!?〜

スペインから帰りしばらく経ちましたが、海外出張の疲れと日本の季節の変わり目も相まってか、1日のうち20時間ぐらい眠い日が続いています。 この週末中に、なんとか通常操業の状態に戻したいものです。 スペインで食べたおいしい料理をアタマで反芻し、…

奴隷制度から生まれたブラジルの国民料理

サンパウロで日系ブラジル人の方に街の市場を案内して頂いている時、ブラジルの国民的料理である「フェイジョアーダ」の話になりました。 「地球の歩き方」に次のように載っていたので、私もその料理のことなんとなくは知っていました。 フェイジョアーダ Fe…

料理を分子レベルで調べたい理由 −食の流れの中で−

前々回*1、前回*2の続き。 今から約11年前、大学院時代の「生体物理化学」という研究室から、「食品科学」という研究室の教員になりました。 ちょうど、食の研究分野では、食品そのものを研究するよりも、その機能性、特に「生体調節機能」に関する研究が…

縄文式食生活のススメ

「十六穀米」のような、雑穀を混ぜたごはんを外食時にだいぶ見かけるようになりました。世の健康志向、ダイエット志向の高まりを感じます。 客観的にみると、玄米を精白しておいしくした精白米に、あえて混ぜ物をして、”まずくして”食べているわけです。何か…

乾燥食品の歴史

紀元前1万二千年には、エジプトの下ナイルで砂漠の熱砂を利用して魚や鳥肉の乾燥が行われていたことが分かっています。乾燥は効果的な食品の保存法でした。 紀元前1700年頃に最盛期を迎えた古代バビロニアでは、乾燥させて砕いた魚肉をポタージュに割り…