夜食日記

食品研究者が夜中に「食」についてつらつら綴る日記。専門は、分子レベルの「食品学」「調理学」「栄養学」。「クックパッド食みらい研究所」特別研究員。分子料理・分子調理ラボ(www.molecular-cooking-lab.net)を主宰しています。食ほど体と心に影響を及ぼすものはないと思いませんか。

食と進化

「節約遺伝子仮説」vs.「料理仮説」

以前読んだ本で、おもしろいなと思ったこと。 火の賜物―ヒトは料理で進化した 作者: リチャード・ランガム,依田卓巳 出版社/メーカー: エヌティティ出版 発売日: 2010/03/26 メディア: 単行本 購入: 6人 クリック: 62回 この商品を含むブログ (17件) を見る …

加熱調理は、ヒトの脳を“進化”させ、体を“退化”させた?

サイエンスの分野で、1990年頃から「21世紀は脳の時代」という言葉をよく耳にしていましたが、実際に日本で「脳科学ブーム」が起きています。 「私たち“ヒト”とゴリラのような“サル”を分かつもの」を考えると、言葉の有無、手先の器用さなどありますが、やは…

肥満なのは調理された食べ物を食べているから? ー体重の増加は食品の調理方法に依存するという研究からー

食べ物は体の“燃料”ですが、 「その燃料のエネルギー量は、食べ物に含まれる“カロリー”だけではなく、その“調理方法”にも関係している」という研究が11/7の米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences)のオンライン版に掲載…

仙台白百合学園高等学校 土曜講座

昨日、仙台白百合学園高等学校に行ってきました。 仙台白百合高校は、仙台市泉区の紫山というところにあり、宮城大学の大和キャンパスのお隣にあります。高大連携の一環として、白百合高校が行っている「土曜講座」に宮城大学の各学部(食産業学部、看護学部…

巨大イカの超節約生活

以前、節約も限界? 「1食30円」以下に抑えるには、という記事を書きましたが、自然の生き物には驚くべき節約の達人がいます。現存する動物でおそらく、最も節約生活を送っているのが世界最大の無脊椎動物である巨大イカ「ダイオウホウズキイカ」でしょう。 …

食べられたくないトウガラシ、しかし食べたいヒト

暑くなると、無性に辛いものが食べたくなります。本格的なインド料理やタイ料理が食べたい今日この頃です。 トウガラシなどの辛味の正体は、カプサイシンという成分なのは有名です。カプサイシンは、舌や口腔内にあるカプサイシン受容体であるTRPV1という膜…

雑食動物のジレンマ

久々の更新です。 先月に「雑食動物のジレンマ」という本を購入しました。 原書は「The Omnivore's Dilemma」という日本語と同じ意味のタイトルです。原書も持っていたのですが、結局読まずじまいで本棚で爆睡中です・・・。 私は「今日は何食べようか?」と…

ゴリラが森に残り、ヒトが森から出た理由

同じ霊長類であるヒトの祖先とゴリラを分けたものはいったい何だったのでしょう。私はそれが「食」だったのではないかと思っています。 ヒトよりもより体の大きいゴリラは、基本的に草や木を食べる草食性です。果物や昆虫もたまに食べますが、体が大きいと基…

霊長類の食事

昨日の昆虫料理の記事を見て、以前講義でちょっと話した霊長類の食生活の進化のことを思い出しました。 私たちの祖先の祖型霊長類は今から六千五百万年前に誕生し、原猿類、新世界ザル、旧世界ザルなどが生まれた後、私達ヒトを含む猿人類が誕生しました。霊…