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夜食日記

食品研究者が夜中に「食」についてつらつら綴る日記。専門は、分子レベルの「食品学」「調理学」「栄養学」。「クックパッド食みらい研究所」特別研究員。分子料理・分子調理ラボ(www.molecular-cooking-lab.net)を主宰しています。食ほど体と心に影響を及ぼすものはないと思いませんか。

お腹にいる“下宿人”が気になる

人の願望はいろいろありますが、「健康」は古今東西を問わず、普遍的に切望されているもののひとつでしょう。とくに健康が損なわれてしまった場合はなおさらです。 私たちの普段の生活で、その健康に関係する二大ファクターといえば、「食事」と「運動」でし…

あなたに“究極に合う”食を提供する「3Dフードプリンタ」のアナザ・インパクト

3Dプリンタの食品版「3Dフードプリンタ」は、ユニークな形のお菓子が作れるだけではなく、「誰でも、どこでも、食感のある“食事”を自動的に作ることができる」可能性があることを前のブログで書きました*1。 そのため将来、3Dフードプリンタは「究極の調理機…

「テーラーメイド食品」のインパクト 遺伝子で食をオーダーメイド@月刊「事業構想」

「事業構想大学院大学」*1という大学院大学をご存知でしょうか。 昨年2012年4月に、東京・表参道で開学したばかりの、事業アイデア立案から実現までの過程を指す「事業構想」を学ぶ専門職大学院です。 学長の野田一夫さんは、私の現在の所属機関である…

「食」の20年度、30年後の未来予想

今年もあっという間に「仕事納め」の12月28日。“おさまっていない”仕事が多々ありますが、いちおう「ひと区切り」の日となりました。 年末年始は、「これまでの1年」そして「これからの1年」を考えるきっかけを与えてくれる時期です。 2012年。私は、初め…

開かれた「遺伝子検査」というパンドラの箱

自分が「血圧が上昇しやすい体質か」や「脂肪が燃焼しにくい体質か」などは、とても簡単に調べられるようになってきました。 高血圧、肥満関連遺伝子を調べる「遺伝子検査」を行う機関や民間の会社が、日本にもたくさん存在しています。 その中で、私たちに…

山中教授の「iPS細胞」から考える「食事療法の将来」

山中伸弥教授が人工多能性幹細胞(iPS細胞)の開発に関するノーベル医学生理学賞を受賞して、はや1ヶ月弱が経ちました。 ヒートアップしていた報道がだいぶ落ち着いたようですので、“食品研究者的”に思うところを書いてみたいと思います。 以前、再生医療に…

サイエンス&カルチャー地域住民セミナー 健康を支える食生活の「安心・安全」

宮城大学地域連携センターでは、地域の方と一緒に食生活の安心・安全について考える地域住民セミナーを今年8月から隔週土曜日(全8回)で開催しています。 講師は宮城大学の食産業学部の先生で、昨日の第4回目を私が担当しました。 ・セミナープログラム …

震災後の栄養から考える「ライフステージ栄養学」と「オーダーメイド栄養学」

震災後の栄養事情から 今日、Webサイト上で見つけた「震災後の“栄養”」に関するカロリー不足*1とカロリーオーバー*2という“相反する”2つの記事から。 東日本大震災:避難所の食事、栄養に問題 1カ月後も解消されず−−宮城・南三陸 東日本大震災の避難所で提…

トマトブーム?@将棋世界

最近の食品系のトップニュースといえば、「トマトの成分が中性脂肪を減らす」という研究報告*1があったことでしょう。 トマトから脂肪肝、血中中性脂肪改善に有効な健康成分を発見:効果を肥満マウスで確認 2012年2月10日 河田照雄 農学研究科教授(生理化学…

自分の体が”クラシックカー”から”ハイブリッドカー”に変わる時

最近ちょっとはまっているのが、穂村弘さんのエッセイです。歌人でいらっしゃるだけあって、言葉の選び方に独特の味わいとセンスを感じます。 最近読んだ「本当はちがうんだ日記」。 本当はちがうんだ日記 (集英社文庫)作者: 穂村弘出版社/メーカー: 集英社…

イチローの”朝カレー伝説崩壊”と読んではいけない”行間”

だいぶ落ち着いたようなので、この話題↓に触れようと思います。 【MLB】イチロー“朝カレー伝説”崩壊! 実はそうめんを食べていた! - MSN産経ニュース カレー業界激震!? 11日に発売されたスポーツ総合誌「スポルティーバ」(集英社)が、米大リーグ、…

なぜ結婚すると太るのか―テストステロンの功罪―

結婚後に男性が、◯◯キロ太ったという話をよく耳にします。”結婚太り”または”幸せ太り”といわれ、よく周囲からからかわれる格好のネタとなります。旦那さんは、自分のお腹まわりのたるみの原因を「奥さんの手料理がおいしくて」などと食事に求めようとします…

縄文式食生活のススメ

「十六穀米」のような、雑穀を混ぜたごはんを外食時にだいぶ見かけるようになりました。世の健康志向、ダイエット志向の高まりを感じます。 客観的にみると、玄米を精白しておいしくした精白米に、あえて混ぜ物をして、”まずくして”食べているわけです。何か…

受験生のための”ブレインフード”

16日、17日と大学入試センター試験があり、試験を受けた受験生、センター会場で試験運営に携わった大学の教職員の方々などは、お疲れ様でした。今年、私は試験監督に当たらなかったので、通常の休みを取ることができました。 これから本格的な受験シーズンが…

ジャンクフード税、チョコレート税、ラーメン税の時代がやってくる

たばこ税の増税が決定されました。来年10月から1本当たり過去最大5円の引き上げにより、1箱300円が400円になるようです。私はたばこは吸わないので大歓迎です。 たばこ増税は社会保障費の財源確保がメインでしょうが、政府は2010年税制改正大綱では「国民の…

雑食動物のジレンマ

久々の更新です。 先月に「雑食動物のジレンマ」という本を購入しました。 原書は「The Omnivore's Dilemma」という日本語と同じ意味のタイトルです。原書も持っていたのですが、結局読まずじまいで本棚で爆睡中です・・・。 私は「今日は何食べようか?」と…

飲むコラーゲンの常識・非常識

「コラーゲンを飲んで肌を若く美しく」とか「コラーゲンを飲んで内側からハリのある肌に」というキャッチフレーズの商品をドラッグストアなどでよく見かけます。 これらの広告を信じてコラーゲン飲料をせっせと飲んでいる研究者がいたら、その研究者の研究能…

ゼラチンをコラーゲンというのは、スクラップ部品を自動車というのと同じ

わが国の健康食品市場は高成長を遂げていましたが、ここ数年はさまざまな規制からマイナス成長となっています。そんな中、コラーゲンは、美容食品の伸びで、ここ数年二桁成長の快進撃を続けています。 コラーゲンとは、構造的に下の図のような3本のペプチド…

「皆さんが食べているトマトには毒が入っています」

日々、人に伝えるのが難しいなぁと思っていることがあります。 今日講義で、焼き肉や焼き魚のコゲに含まれる発がん物質の話をしました。どんな化合物の物質が生成していて、どんな生理的作用があってという話がメインですが、補足として、人はどのぐらい食品…

健康食品市場の繁栄と衰退

金融危機で深刻な不況に突入した米国ですが、健康食品市場は極めて好調のようです。2008年度データでは、6%程度の成長が見込まれると予測され、「不況のかけらもない」と報告されています。 健康食品の分野は日本が世界で最も進んでいるので、健康志向の高…

「学校の近くにファストフード店を開いてはいけません」

ロイターニュースから。 学校に近すぎるファストフード店に営業停止命令 英ロンドン東部のウォルサム・フォレスト区議会は20日、学校からの距離が近すぎたファストフード店を営業停止にすると発表した。英国の自治体がこのような決定を下したのは、初めて…

新・特別用途食品制度に「総合栄養食品」が誕生

厚生労働省は、約35年ぶりに特別用途食品制度を抜本改定し、新制度が今月の4月1日から施行されています。見直しの概要は、下の図の通りです。 (厚生労働省より) 見直し内容のポイントは、「低ナトリウム食品」「低カロリー食品」「高タンパク質」など…

老化を遅らせる「iFood」って何?

先日のクーリエジャポン4月号で、面白いなーと思ったのが「iFood」の記事でした。私、初めて目にしました「iFood」という言葉。AppleのiPod(アイポッド)やiPhone(アイフォーン)のように、iFood(アイフード)という発音するのでしょうか。お洒落なネー…

食料品の格付けをするウェブサイトの登場

私たちの身近にある食料品について、もっと詳しく知りたいと思った人は多いでしょう。しかし、ウェブサイトで調べようとしても、その製品を作っている会社のホームページでは、都合の悪い情報は一切載せていないのが普通です。客観的で科学的、かつ商品ごと…

主食もトクホ

ついに主食の分野にも「特定保健用食品」が登場してきました。 山崎製パン、特保の食パン 食後の血糖値上昇抑える 山崎製パンは特定保健用食品(特保)の食パン「モーニングバランス」を4月1日に発売すると発表した。体内で消化されにくい炭水化物を含み、…

近所にファストフードの店が増えると、脳卒中になる?

CNN.co.jpで目に留まった記事から。 近所のファストフード店の数、脳卒中リスクと関連あり? 近くにあるファストフード店の数と住民の脳梗塞リスクに相関性があると、米ミシガン大学の研究者が19日、カリフォルニア州サンディエゴで開催中の国際脳卒中学会…

医学のエイジングと食品学のエイジング

医学の分野でも食品の分野でも、同じ”エイジング”という言葉が使われますが、その意味は両分野間でだいぶ異なります。 医学のエイジングは、人が「老化」するという意味で、どちらかというとネガティブな意味合いの強い言葉です。そのため、盛んにアンチエイ…

アンチエイジングフード、アンチエイジング食品とは?

アンチエイジングという言葉が最近よく聞かれます。アンチエイジングは抗老化・抗加齢という意味ですが、これからの高齢者が激増する社会では、いかに健康に生きるかという点で大変重要な分野でしょう。 しかし、どうも世の中のアンチエイジングは、「シワを…