夜食日記

食品研究者が夜中に「食」についてつらつら綴る日記。専門は、分子レベルの「食品学」「調理学」「栄養学」。「クックパッド食みらい研究所」特別研究員。分子料理・分子調理ラボ(www.molecular-cooking-lab.net)を主宰しています。食ほど体と心に影響を及ぼすものはないと思いませんか。

料理・調理

なぜ、“スペイン勢”が「世界最高のレストラン」に選ばれるのか?

毎年、イギリスで発行されている「Restaurant」という雑誌上で、料理人や評論家ら投票で選ぶ「世界のベストレストラン50 The World's 50 Best Restaurants」が発表されています。 ちょっと古いのですが、今年のベストレストランの発表が4月末に行われました…

花いちじくの天ぷら

昨日、あるお店で「花いちじくの天ぷら」というものを食べました。 イチジクは秋頃に旬を迎える果物ですが、夏の一番はじめに数個だけ収穫できる小さいイチジクのことを「ハナイチジク」と呼ぶそうです。 もともとイチジクは、花を咲かせずに実をつけるよう…

あなたに“究極に合う”食を提供する「3Dフードプリンタ」のアナザ・インパクト

3Dプリンタの食品版「3Dフードプリンタ」は、ユニークな形のお菓子が作れるだけではなく、「誰でも、どこでも、食感のある“食事”を自動的に作ることができる」可能性があることを前のブログで書きました*1。 そのため将来、3Dフードプリンタは「究極の調理機…

舌から脳までの“おいしさ情報”の「伝言ゲーム」

料理を食べて「おいしいっ!」と感じるプロセスは、食べものの「情報」を脳に伝える「伝言ゲーム」のようなものです。 例えば、味覚では、食べものの中に含まれる「味分子」が、舌の味蕾にある味細胞の表面にある「味覚受容体」にくっつきます。 受容体に味…

“おいしさ”は料理の中ではなく、脳の中にある

先日、久しぶりに外で焼肉を食べました。パワーを得たい時は、やはり肉ですね。 炭火で肉を焼く際、網の上で焼かれる音、肉の焼き目、立ち上る香り、そして食べた時に肉からほとばしる肉汁の風味やとろける食感によって「おいしさ」を感じます。 おいしい料…

地域の在来野菜で作るレシピ集

先日の山形県の庄内地方の鶴岡に模擬講義に行った帰りにいくつかおみやげを買ってきました。「だだちゃ豆」のフリーズドライとせんべい。↓ だだちゃ豆といえば、鶴岡の在来エダマメの総称で、私にとってビールの最強のお供です。 だだちゃ豆とその親戚系統は…

史上最大の“炒飯”大実験

最近は、料理好きな男子もまったく珍しくなくなりましたね。勤務先の大学にも「料理男子」たちがたくさんいます。元「料理“男子”」だった私もこの時代の好ましい変化に感慨深いものがあります。 本屋に行くと、そんな料理男子向けの雑誌がたくさん並べられて…

未来の料理の行方

先週、私の誕生日で、大変ありがたいことに、研究室のラボメンバーに手作りの「卵型のケーキ」とプレゼントを頂きました。 「ケーキが卵型」なのは、私の専門が「卵の科学」だからです。2日がかりの力作だったそうで、「卵黄」部分のカスタードと生地の層が…

ヘストン・ブルメンタールの「料理と科学」 科学実験好きな料理人

科学的な調理法を使う料理人として、「エル・ブリ」のフェラン・アドリアと同様に有名なのが、ヘストン・ブルメンタールでしょう。 ヘストン・ブルメンタールはイギリス生まれで、ロンドン西部のバークシャーにあるレストラン「ファット・ダック」のシェフで…

エルヴェ・ティスの「料理と科学」 料理が好き過ぎた物理化学者

エルヴェ・ティスは、パリにあるフランス国立農業研究所の研究者で、調理のプロセスにおける物理化学的な研究で知られています。 私が、彼を初めて知ったのは、『フランス料理の「なぜ」に答える』という本でした。 ティスが著者であるその本の帯には、 料理…

フェラン・アドリアの「料理と科学」 “斬新”を作るための“科学的”技術

私は、 料理(Cooking) 科学(Science) 芸術(Art) の“3つ輪”が交わる「融合領域」に強い関心があります。 スペインのシェフ、フェラン・アドリアの料理は、そのうち「料理」と「芸術」の2つの輪が大きく重なって見えます。しかし、「科学」の“輪っか”…

「料理と科学」を考える上での3人

料理と科学の「接近」を考える上で、以下の3人から考えてみたいと思います。 フェラン・アドリア エルヴェ・ティス ヘストン・ブルメンタール フェラン・アドリア Ferran Adriàは、スペインのレストラン「エル・ブジ El Bulli」のシェフ。 エルヴェ・ティス…

Modernist Cuisine モダニスト料理

「Modernist Cuisine」という料理本。とうとうやってきました。 これは、すごい! 今日届いたのですが、中身のグレードの高さに圧倒されました。写真の色鮮やかさ、随所にある調理道具ごと切った「断面図」、分かりやすい科学的視点。そして、予想以上に大き…

エンド・オブ・サマー・ミール End-of-Summer Meal

午前中、勤務先から離れた別のキャンパスで会議があり、帰りに、仙台北環状線沿いの讃岐うどんのお店でお昼をいただいました。 半熟玉子天うどんの「ひえひえ」。とても、おいしかったです。 日本全国、厳しい残暑が続いていますが、仙台は今週末から最高気…

奴隷制度から生まれたブラジルの国民料理

サンパウロで日系ブラジル人の方に街の市場を案内して頂いている時、ブラジルの国民的料理である「フェイジョアーダ」の話になりました。 「地球の歩き方」に次のように載っていたので、私もその料理のことなんとなくは知っていました。 フェイジョアーダ Fe…

「宇宙料理学」「宇宙調理学」の登場!?

TIME.comで見た「宇宙食」に関するニュース*1で思ったことをひとつ。 (TIME.comより) 人類の宇宙への夢は、尽きないものです。今、もっとも期待度の大きい宇宙分野の夢は、やはり「火星有人探査計画」でしょう。 火星への有人探査には、2、3年必要とされ…

「“ゼリー”カップヌードルライト」いざ、実食!

前回からのつづき。 プッチンプリン、ならぬ「プッチンラーメン」をいただくことに。 ナイフとフォークで中心から切り、その縦断面を見てみると、 おぉ、まるで、“テリーヌ”のよう! 期待度がますます高まり、プルプルと黄金色に輝く「カップヌードルテリー…

「“ゼリー”カップヌードルライト」完成!

前回からのつづき。 一晩、冷蔵庫でしっかりと冷やしました、「三兄弟」。 ゼリー カップヌードル ライト レギュラー まずは、しょうゆ味の「レギュラー」のフタを開けてみると、「液」が減っていました。内側の線まで、ゼラチン溶液を入れたはずでしたが。 …

夏はICEで?、いやいや“ゼリー”で!「ゼリーカップヌードルライト」への挑戦

食品会社各社は、節電の夏に向けて、冷たい食品の開発や冷たくして食べるスタイルのPRに力を入れています。 その中でも、注目度が高いのは、日清食品さんの「カップヌードルライト」に氷を入れ、冷たくして食べる「夏はICEで!カップヌードルライト」のキャ…

「そば粉製品≒めんのそば」なのはなぜか?

前のブログで『一日三食そばでもいい「そば喰い」にとって、…』と書きましたが*1、そば好きの多くは、「麺の蕎麦“切りそば”が好き」という意味であって、決して「そば粉をお湯で練った“そばがき”が好き」というわけではないでしょう。 先日、私が担当してい…

板そば、寒晒しそば、冷たい肉そば@山形

私の生まれは福島、学生時代は宮城、初めての大学教員時代は青森と、東北を縦断生活してきました。そして現在は、また宮城の仙台に居を構えています。 東北6県はすみずみまで旅行したこともあり、東北の県民性の違い、その土地の文化や言葉、そして特産品に…

料理を“ワッフル化”する 〜エピローグ〜

前回のつづき。 プロローグで始まった「料理を“ワッフル化”する」の一連のブログ。このエピローグで締めたいと思います。 電気店に残された「たこ焼き器」 3.11東日本大震災で被災し、ライフラインが断たれた後の話から。 ライフライン途絶後、私の家は電気…

日本料理を“ワッフル化”する 〜焼きおにぎりッフル、焼き豆腐ッフルなど〜

前回のつづき。 ワッフル化の最終回は、日本料理のワッフライズ。日本料理といっていいのか微妙なところですが、日本の食材などのワッフリングを5連投で。 プチ感想とともに。 もち × ワッフルメーカー = もちッフル 定番のもちのワッフル化。別名、モッフ…

パンを“ワッフル化”する 〜ハンバーガーッフルとサンドイッチッフル〜

前回のつづき。 2012年のゴールデンウィークGWも今日で終了。このゴールデンワッフル(GW: Golden Waffle)週間も終わりとなります。 ゴールデンウィーク中、多くの方が海外や行楽地へと出かけたことでしょう。私は、近所での散歩以外はどこにも出かけること…

魚介類を“ワッフル化”する 〜焼き魚ッフルと焼きいかッフル〜

前回のつづき。 肉のワッフル化をしたので、魚もワッフル化しないわけにはいかないでしょう?ということで、魚介類の中から「鮭」と「いかの一夜干し」、そして魚練り製品の「はんぺん」の3品をチョイスして、ワッフライズ! 鮭 × ワッフルメーカー = 焼き…

中華料理を“ワッフル化”する 〜餃子ッフルと焼きそばッフル〜

前回のつづき。 中華料理のワッフル化(ワッフライズ)に挑戦。 もはや日本食として定着しているので「中華」といっていいのかわかりませんが、愛すべき庶民食ともいえる「餃子」と「焼きそば」をチョイス。 餃子は皮から作製、焼きそばはかた焼きそばにして…

イタリア料理を“ワッフル化”する 〜ピザッフルとパニーニッフル〜

前回のつづき。 イタリア料理といえば、ピザでしょう。 ピザをワッフル化(ワッフライズ)してみます。 ピザは、ピザの代表格のトマトソース、バジル、モッツァレラチーズのマルゲリータと、オニオンとブラックオリーブのシンプルピザの2種類。生地は、非発…

朝食(パン食)を“ワッフル化”する 〜トーストッフルと目玉焼きッフル〜

前回のつづき。 毎朝私は、ほぼ「卵かけご飯」を食べていますが、本日はトーストと目玉焼きを頂きました。ともにワッフル化(ワッフライズ)したものを。 食パン × ワッフルメーカー = トーストッフル 生卵 × ワッフルメーカー = 目玉焼きッフル 感想 トー…

肉を“ワッフル化”する 〜ハンバーグッフルとステーキッフル〜

前回のつづき。 ハンバーグとステーキをワッフル化(ワッフライズ)します。ステーキには、ワッフル化した焼き野菜(ニンジン、ピーマン、パプリカ、ジャガイモ)を添えて。 ひき肉 × ワッフルメーカー = ハンバーグッフル 牛肉 × ワッフルメーカー = ステ…

料理を“ワッフル化”する 〜プロローグ〜

セピア色のワッフルブーム だいぶ前のことですが、「ベルギーワッフルブーム」というのがありました。調べてみると1997年とのことで、私は仙台で大学院生でした。おっと、年齢がバレますね。 仙台にも当時、ベルギーワッフルの専門店があったことを覚え…